「我々の選手たちと最後の試合…必ず勝利したい」
今シーズン、国内大会(Kリーグ1、FAカップ)のいずれも優勝を逃しているだけに、感慨深いものがあるのだろう。
蔚山現代(ウルサン・ヒョンデ)を8年ぶりにアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)決勝へと導いたキム・ドフン監督はこのように話すと、アジア制覇への切実さをうかがわせた。
12月13日(日本時間)、カタール・ドーハのジャシム・ビン・ハマド・スタジアムで、蔚山現代とヴィッセル神戸によるACL準決勝が行われ、蔚山現代が2-1と辛くも勝利した。
カタールで再開以降のACLで8試合全勝中の蔚山現代は、来る19日に西地区代表のペルセポリス(イラン)と決勝戦を戦う。
この試合、蔚山現代は後半7分にMF山口蛍(30)の先制点を許すも、同35分にFWビヨルン・ヨハンセン(29)のゴールで同点に追いつくことに成功。そして、延長後半終了間際、この試合でファインセーブを連発していた神戸GK前川黛也(26)との交錯でPKを得ると、キッカーのジュニオールが冷静にゴールネットを揺らし、逆転勝利を収めた。
キム監督は試合後、記者会見で「厳しい試合を予想していた。最後まで諦めなかったからこそ、決勝進出を果たすことができた。選手たちに感謝したい」と語ると、「神戸にも“お疲れ様”との言葉を伝えたい」と、かつて1998年から2シーズン所属した古巣へのリスペクトも欠かさなかった。
また、「(決勝戦まで)休息が優先だ。国内大会の結果が惜しかったからか、カタールに初めて来たときは雰囲気が上がらなかった。隔離生活によって難しい状況だった」とし、「それでも選手たちが笑顔を失わず、楽しもうという気持ちで臨んだ。1カ月の間で上手くやっているようだ」と満足感も示した。
今シーズンを最後に蔚山現代との契約が終了するキム監督は、ペルセポリスとのACL決勝がラストゲームとなり得る。クラブ側からは再契約の提案を受けなかったようだ。
キム監督は「決勝は我々の選手たちとできる最後の試合だ。必ず勝利して韓国に帰りたい」と強く意気込みを語った。
そして、蔚山現代と異なり長期間実戦がない状態でカタール入りするペルセポリスに対しては、「(我々は)継続して複数得点での勝利を収め、雰囲気が良くなっている。しかも、試合を楽しみつつ勝利したいという気持ちまで加わり流れが良い。最後の試合も楽しく良い試合ができるよう頑張りたい」と、モチベーションの維持を強調した。
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