今シーズンのKリーグで猛威を振るったウインガーたちが、移籍市場でも話題の中心となっている。
現在イングランド・プレミアリーグで首位を走っているトッテナムのソン・フンミンのポジションもウイングだ。チーム状況によってはセンターフォワードとして出場することもあるが、基本的にはサイドプレーヤーとして、スピードと類まれなる得点力を武器にしている。
今季のKリーグでは、ソン・フンミンのような得点能力の高いウインガーの活躍が目立った。“国産ストライカー”の姿が消えたため、自然とウイングの存在感が増したかたちだ。そのため、来季に向けての移籍市場でもウイングが注目を集めている。
今季活躍したウインガーで2桁得点を奪ったのは、全北現代モータースのハン・ギョウォン(30、11ゴール)と、浦項スティーラーズのソン・ミンギュ(21、10ゴール)の2人だ。
特にソン・ミンギュは今季ヤングプレーヤー賞を獲得し、キム・ハクボム監督の招集で初のオリンピック代表に抜擢されるなど、大きな飛躍の年となった。
目を引いたサイドプレーヤーは彼らだけではない。12アシストでアシスト王に輝いたカン・サンウ(27、浦項スティーラーズ)も印象に残るプレーで注目された。
カン・サンウは2019年1月から2020年8月まで所属していた尚州尚武時代に、アタッカーとしての才能が萌芽した。現所属チームの浦項スティーラーズに戻ってからは、チームの都合もありサイドバックを主に務めたが、積極的な攻撃参加でサイドバックにはもったいないほどの攻撃性能を見せた。
今年で価値が上昇した浦項スティーラーズの2人は、まだクラブと契約期間が残っている状況だ。浦項スティーラーズと契約延長したキム・ギドン監督は、クラブにソン・ミンギュとカン・サンウの残留を要請したようだが、財政状況に難を抱えるクラブ状況においては決して“非売品”ではないだろう。
U-20代表を経て、飛び級でA代表に抜擢された“韓国のサラー”ことオム・ウォンサン(21、光州FC)も、有望株の1人だ。“本家サラー”に劣らない爆発的なスピードに加え、今季は決定力も改善され7ゴール2アシストを記録。光州FCのファイナルA(Kリーグ上位6チーム)到達に大いに役立った。
オム・ウォンサンのチームメイトであり、逆サイドで攻撃を牽引したブラジル人ウイング、ウィリアン(26、光州FC)もKリーグ1で通用することを証明して見せた。ウィリアンは現時点で、Kリーグ2の慶南FCへの移籍が有力視されている。
今夏、FC東京からのレンタルで韓国内に戻ってきたナ・サンホ(24、城南FC)も外せない存在だ。彼は今シーズン19試合で7ゴールを決めている。過去に師弟関係を築いたパク・ジンソプ監督がFCソウルの指揮官に就任し、クラブにナ・サンホ獲得を要請したという。
戦術や戦略が目まぐるしく変わっていく現代サッカーだが、いつの時代もスピードと得点力を兼ね備えたウインガーの存在はどのチームでも重宝される。今季は国内で有望なウインガーが多く出現したため、移籍の“玉突き事故”が起こる可能性も少なくない。
韓国ではアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)が終わり次第、移籍市場が活性化するはずだ。今季活躍したウイングの選手たちの来シーズンに注目が集まっている。
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