今季の韓国プロ野球でMVPに輝いたメル・ロハス・ジュニアの獲得競争が、ますます過熱している状況だ。
日本プロ野球の名門、読売ジャイアンツが大筋で合意したという報道が出ると、ロハス本人が“反論”するハプニングまで発生した。本塁打や打点など打撃4部門で1位、MVPまで手にしたロハスの行き先は、日米韓のプロ野球にとって関心事だ。
新型コロナが世界的に流行しながら、メジャーリーグ、日本プロ野球、韓国プロ野球の球団は莫大な財政的打撃を受けた。冬に入ってさらに感染拡大している新型コロナによって不確実性は大きくなり、外国人選手の勧誘においても冒険より安定を選択する球団が増える傾向にある。
その点、韓国プロ野球で圧倒的な成績を残したロハスは、魅力的な人材だろう。
そもそもロハスは、以前から公然とメジャーリーグ進出の夢を明らかにしてきた。家族や親戚がプレーしたメジャーでプレーしたい気持ちが強かった。しかし毎回、状況が芳しくなく、今年までKTウィズで4年目を過ごしてきた。
ただ今年は状況が違う。ロハスに向けた関心は、例年より大きい。より良い条件で他リーグに移籍する環境も作られた。ロハス側は、メジャーリーグの保証契約の提案を待って、日本プロ野球球団の提案も検討している。
すでに現所属球団であるKTウィズは、ロハスに球団が提案できる最大の条件を含めて伝えており、ロハスの回答を待っている。
そんななかハプニングも発生した。日本の『デイリースポーツ』が12月7日、「関係者によると6日、KBOリーグMVPロハスと読売が大筋で合意を終えた。巨人は阪神タイガース、メジャーリーグ球団とロハス争奪戦でリードした」と報じた。日本の球団はシーズン終了後、ロハスに向けて積極的なラブコールを広げ、具体的な提案を渡したという話も出回った。そのなかでも巨人が最後の勝者になったかのように見えた。
しかしロハスの素早い対応で、状況は一変した。
ロハスは同日、自分のSNSに「私は2021年にどのチームでプレーするかまだ決めていない」と、『デイリースポーツ』の報道を真正面から否定したのだ。行き先について熟考していたなかで生じたフェイクニュースに、憤慨した格好だ。契約関連のニュースは、事実かどうかを離れて、実際の契約にも影響を与えかねない。ロハスがすぐに反論をした理由だ。
ロハスの“巨人入団説”はハプニングで終わったが、別の意味では、それほど彼の獲得競争が過熱しているという証拠に他ならない。
韓国プロ野球で成長し、MVPにまで輝いたロハスの来季の行き先はどこになるのか。多くの球団の注目がロハスに集まっている。
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