KTウィズのメル・ロハス・ジュニア(30)が2020シーズン、韓国プロ野球KBOリーグのMVPに輝いた。今や注目は、彼がKTウィズに残留するかどうかだ。
メル・ロハス・ジュニアは11月30日、ソウルで行われたKBO授賞式でMVPに選ばれた。MVPは、規定イニングもしくは規定打席を満たした選手や個人部門別の順位10位以内の選手のなかから、投票によって1位から5位までの得点を合算して選定する。
ロハスは投票結果653点を獲得し、2位NCダイノスのヤン・ウィジ(374点)、3位斗山ベアーズのラウル・アルカンタラ(319点)などを下し、KBOリーグ最優秀選手に選ばれる栄誉に輝いた。
当たり前といえば、当たり前の結果だ。
ロハスは今季、本塁打(47本)、打点(135点)、得点(116点)、長打率(0.680)と、4つの部門で1位を記録した。レギュラーシーズンの数試合を残して惜しくも打率1位の座をチェ・ヒョンウ(KIAタイガース)に奪われたが、打率も3位(0.349)、安打数も2位(192本)と、盗塁を除くすべての部門で最高レベルの成績だった。
MVP投票で2位だったヤン・ウィジは無冠であり、3位アルカンタラは最多勝(20勝)、勝率(0.909)で1位だったが、ロハスの好成績を上回るには力不足だった。
MVPの受賞でロハスはKBOリーグの新たな歴史を残した。歴代KBOリーグでMVPを受賞した外国人選手は5人だけだ。タイロン・ウッズ(1998年)を皮切りに、ダニエル・リオス(2007年)、エリック・テイムズ(2015年)、ダスティン・ニッパート(2016年)、ジョシュ・リンドブロム(2019年)が後に続いた。ロハスが6人目のMVP外国人選手となった。外国人選手の打者に限定すると、ウッズとテイムズに続く歴代3人目だ。
ロハスはMVP受賞直後、「監督とコーチ、同僚、フロントの支援で健康にシーズンを終えることができた」とし、「競技場だけでなく、個人SNSを通じていつも熱心な応援をしてくれるファンの皆さんのおかげで、打撃4冠王とレギュラーシーズンMVPを受賞することができた」と感謝の言葉を伝えた。
KTウィズとロハスは今季をハッピーエンドで終えたが、今現在は来シーズンのために交渉を進めなければならないビジネス関係となった。
ロハスは「来年もKTウィズに残りたい気持ちは変わらない」とチームへの愛情を表わしたが、それはあくまで満足のいく条件が提示されたときの話だ。
今シーズン、KBOリーグを制圧したロハスには、メジャーリーグと日本プロ野球球団の関心が集まっている。つい先日もサンケイスポーツが「巨人、来季大砲候補の韓国L2冠王ロハス・ジュニア獲得へ」と報じていた。また『MLBTradeRumors.com』は11月29日(日本時間)、「アメリカの3球団、日本の3球団がロハス獲得の可能性を探っている」と伝えた。
それを感知したKTウィズは、早めにロハス側と接触して心を掴もうと乗り出している。ロハス側に拒絶が難しい“大きな条件”を提示したという話も聞こえてくる。
来季より高く飛躍しなければならないKTウィズにとって、ロハスは絶対に必要な選手だ。これまではロハスに対する海外球団の関心を見守った後に行動していたKTウィズだが、今回は先制的なアプローチに戦略を修正した。
ロハス残留のためのKTウィズの努力は、実を結ぶか。今、ボールはMVPのロハスに渡った。
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