12月7日1時30分(日本時間)に行われたイングランド・プレミアリーグ(EPL)第11節、同じロンドンの街を本拠地とするトッテナムとアーセナルが激闘を繰り広げた。
トッテナムのソン・フンミンは前半13分に先制ゴールを記録すると、前半終了間際にはハリー・ケインの追加点をアシスト。1ゴール1アシストの見事な活躍で、ダービー戦勝利の立役者となった。
トッテナムはアーセナルを2-0で下したことで、勝ち点24(7勝1敗3分)となり、チェルシー(勝ち点22)を追い抜き再び首位に躍り出た。一方、アーセナルは勝ち点13(4勝6敗1分)から勝ち点を積み上げられず、15位というスカッドに見合わない順位で足踏みしている。
3日前の12月3日に行われたUEFAヨーロッパリーグ(EPL)LASKリンツ(オーストリア)戦でもゴールを決めたソン・フンミンは、2試合連続ゴールとなりリーグ戦2桁ゴールを達成した。
去る7月12日、2019-2020シーズン第35節のアーセナル戦(2-0勝)でも1ゴール1アシストの活躍を広げた彼は、ノース・ロンドン・ダービーでも2連続ゴールとなった。
キックオフから10分ほどは、アーセナルが前線からのプレスで試合の主導権を握るかに見えた。しかし、トッテナムのゴールデンコンビ“ソン・フンミン-ハリー・ケイン”がその目論見を早々と消し去った。
自陣でボールを受けたケインが、ハーフラインを越えたあたりでアーセナルDFライン裏のスペースに走り込んだソン・フンミンに、正確なスルーパスを出した。
前半13分、自陣でボールを受けたソン・フンミンはペナルティエリア手前まで運んだあと、相手GKの位置を見極め、右足でのコントロールショットで見事な先制ゴールを生み出した。
ボールは美しい弧を描き、相手GKに触れさせることなくアーセナルゴール右に突き刺さった。往年の“デル・ピエロ・ゾーン”を彷彿とさせるペナルティエリア手前の左45度、“ソン・フンミン・ゾーン”からのスーパーゴールが決まった。
このゴールでソン・フンミンはリーグ戦10ゴール目となり、得点ランク首位のドミニク・キャルバート・ルーウィン(11ゴール、エヴァートン)に再び1ゴール差に迫った。
ケインは今季10アシスト目となり、アシストランクで首位を堅持している。新型コロナの影響で無観客が続いていたが、3月以来の観客たちに興奮をもたらした。
トッテナムはソン・フンミンのゴールで先制後、アーセナル相手に優位にゲームを進めた。直近5試合のうち4試合でクリーンシートを誇るトッテナムは、今季から加入し“影のMVP”と呼ばれるピエール・エミール・ホイビュルクと、ムサ・シソコのダブルボランチがアーセナルの攻撃を見事にシャットアウト。
トッテナムの先制後もアーセナルに思い通りに攻め込ませなかった。前半38分にピエール・エメリク・オーバメヤンの左からのクロスに、ウィリアンがシュートチャンスを迎えたが、ジョバンニ・ロ・チェルソが立ちはだかり同点を許さなかった。その5分後のアレクサンドル・ラカゼットのシュートもケインが頭で阻止した。
そして前半終了間際、ソン・フンミンとケインが再び鋭いカウンターで合作ゴールを作り上げた。
ロ・チェルソのパスを受けたソン・フンミンが、ペナルティエリア内まで運んだあと、背後からクロスするように追い越したケインにパス。ケインが左足で豪快に蹴り込んだボールはクロスバーに直撃しながらアーセナルゴールに吸い込まれた。
ソン・フンミンのリーグ3つめのアシストであり、シーズン6つめのアシスト。また、ソン・フンミンとケインはこの試合で2ゴールを合作したことで、通算30、31番目の合作ゴールとし、EPL通算合作ゴールランク1位のフランク・ランパード-ディディエ・ドログバ(36ゴール)コンビの記録まで残り5ゴールと迫った。
反撃に出たいアーセナルは後半2分、フリーキックにラカゼットが頭で合わせるも、GKウーゴ・ロリスが難なくセーブした。その1分後にはキーラン・ティアニーの左からのクロスにオーバメヤンが頭でシュートを打ったが、クロスバー上を通過していった。
ソン・フンミンは後半に入ってからは、前半よりもボールタッチの回数は減ったが、虎視眈々とカウンターを狙い、その圧倒的な存在感で相手守備陣への抑止力となっていた。
トッテナムは最後までアーセナルに得点を許さず、またもやクリーンシートでの完勝を収めた。今シーズンはEPL開幕戦での敗北以降、10試合連続無敗(7勝3分)で絶好調を維持し続けている。
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