全北現代がACL制覇で初のトレブルに挑むが…Kリーグ勢には不安要素が多数

2020年11月21日 サッカー #ACL
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Kリーグの全北現代モータースがKリーグクラブ初の“トレブル”(国内リーグ、FAカップ、アジア・チャンピオンズリーグのシーズン3冠)に挑戦する。全北現代は3冠達成に向け、開催地のカタールで万全の準備を行っている。

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新型コロナの影響で中断されていた今シーズンのACLは、ホームアンドアウェー方式ではなく、カタールに参加国が集合する形で再開されることとなった。

西アジアのクラブで構成されたグループA~Dはすでに9月に試合を行っており、ペルセポリス(イラン)が決勝へと進出。東アジアのE~H組は11月21日から12月4日までグループリーグを行い、ペルセポリスの対戦相手を決定する。

対照的な”現代”の2チーム

ACLに先駆け、国内リーグとFAカップで2冠を達成している全北現代は、ACLを制覇するため現地での調整を入念に行っている。再開初戦は11月22日22時(日本時間)キックオフの上海上港(中国)戦だ。全北現代は中断前の成績が1敗1分(勝ち点1)となっており、現在グループHの2位につけている。

全北現代はFWグスタボ(26)、MFバーロウ(28)などの強力なアタッカーを擁してはいるが、中盤の要で今シーズンのKリーグMVPだったMFソン・ジュンホ(28)と、DFイ・ジュヨン(28)が韓国代表遠征中に発生した新型コロナの影響で、ACLには不参加となる。代表戦後、カタールへと直行する予定だったが、オーストリア遠征中にチーム内で発生したクラスターの影響により、韓国サッカー協会の新型コロナ防疫指針で韓国国内へと帰国する予定だ。

4年ぶりにACL王座を奪回し、“トレブル”の偉業を達成するには助っ人アタッカーらの働きにかかっているといっても過言ではない。グループHには上海上港のほか、シドニーFC(オーストラリア)、横浜F・マリノスといった各国の強豪が揃っている。

(写真提供=韓国プロサッカー連盟)ACL不参加となったKリーグMVPのソン・ジュンホ

同じKリーグ勢の蔚山現代FCにもACLでの優勝に期待がかかる。しかし、シーズン終盤で全北現代に逆転でリーグ優勝をかっさらわれ、FAカップ決勝でも敗北を喫するなど、チームの雰囲気が懸念されている。しかも、守護神のチョ・ヒョヌ(29)が代表遠征中に新型コロナに感染したため、チームへの合流時期が未定になるなど、マイナスポイントが多い状態だ。

そのため、今シーズンのKリーグ得点王ジュニオ(34)や、ベテランのイ・チョンヨン(32)らの活躍に期待がかかる。蔚山現代はグループFで1戦1分の成績となっており、FC東京、上海申花(中国)、パース・グローリーFC(オーストラリア)らと戦う。

代表遠征中に新型コロナに感染したチョ・ヒョヌ(右)

期待薄な2チーム

2019シーズンのKリーグ3位だったFCソウル、同年FAカップでの優勝で出場資格を得た水原三星ブルーウィングスらの勝ち上がりは、やや難しいと予想されている。今シーズンのリーグ戦でも降格圏を彷徨っており、戦力不足感は否めない。

元サガン鳥栖のキム・ミヌ(30)が所属する水原三星は、グループGでヴィッセル神戸、広州恒大(中国)、ジョホール・ダルル・タクジム(マレーシア)と同組だ。しかしマレーシア政府がカタールへの遠征を許可しなかったため、ジョホールを除く3チームで2枠を争うこととなった。

チームの再建を図っている水原三星OBのパク・コンハ監督

キャプテンで精神的支柱のベテラン、ヨム・ギフン(37)がライセンス講習会で不参加となり、エースのFWダガート(27)と、DFの要であるヘンリー(27)らも負傷で離脱。ポジティブな話題はあまり聞こえてこない。また、水原三星はチームとして過渡期を迎えており、クラブOBを監督に招聘して再建を図っている段階だ。ACLでは勝利よりも来シーズンに向けてのチーム作りを優先させると予想されている。

FCソウルも韓国代表に招集されていた主力のMFチュ・セジョン(30)、DFユン・ジョンギュ(22)が不参加となったため、戦力低下が懸念されている。今季、ヨーロッパから国内に復帰したキ・ソンヨン(31)が、いかに実力を発揮できるかにかかっているといえるだろう。

今季から韓国国内に復帰したFCソウルのキ・ソンヨン

FCソウルは、北京国安(中国)、チェンライ・ユナイテッド(タイ)、メルボルン・ビクトリー(オーストラリア)らと同じグループEに属しており、1試合1勝の成績で現在グループ首位となっている。

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