理由はそれぞれ違う。それでもKリーグの4クラブは動き出した。
新型コロナウイルスの余波を乗り越え、全北現代、蔚山現代、FCソウル、水原三星がアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)に挑戦する。4クラブはいずれもACLが開かれるカタール・ドーハで、最終準備を終えた。
本日11月22日には、水原三星が広州恒大(中国、19時)と、全北現代が上海上港(中国、22時)と対戦する。また11月24日には、蔚山現代がパース・グローリーFC(オーストラリア、22時)と、FCソウルがチェンライ・ユナイテッド(タイ、22時)と激突する。
横浜F・マリノスと同組で、クラブ史上初のKリーグ制覇とFAカップ優勝の“2冠”に成功した全北現代は、ACLまで制して“3冠”に挑戦する。韓国代表チームで発生した新型コロナの感染拡大でソン・ジュンホとイ・ジュヨンは合流していないが、今シーズン3度目の優勝を目指す。
それでも幸いなのは、オリンピック代表チームに招集されたソン・ボムグン、イ・スビン、チョ・ギュソンが無事に合流し、陰性判定を受けたことだろう。 MVPのソン・ジュンホが抜けるのは残念だが、今シーズンの全北現代は特定選手に依存したチームではなかった。今季を最後に勇退が予定されるジョゼ・モライス監督と、有終の美を狙う立場だ。
蔚山現代とFCソウルは、名誉回復に乗り出す。
FC東京と同じグループFの蔚山現代はKリーグとFAカップを準優勝で終えており、いずれもライバルである全北現代に優勝を譲った。プライドが傷ついている。チームの雰囲気がいいわけではない。さらに正GKのチョ・ヒョヌが韓国代表チームで新型コロナに感染し、オーストリアで隔離中だ。チョ・ヒョヌのグループリーグ参加は不可能で、蔚山現代が仮に決勝トーナメントに進出しても合流できるかは不透明だ。チョ・スヒョクがチョ・ヒョヌの空白を埋めなければならない。
FCソウルも名誉回復がキーワードとなる。しかし状況は芳しくない。今季KリーグでFCソウルは、リーグ下位6チームが所属する「ファイナルB」に転落するなど、振るわなかった。監督の選任さえもきちんと行われなかった。ACLには、P級指導者の資格があるスカウトのイ・ウォンジュンを監督代行にして出場する。“代行の代行の代行”という状況だ。さらにFCソウルは韓国代表チームに合流していたチュ・セジョンとユン・ジョンギュがカタールではなく、韓国に帰国しており、戦力の損失が避けられない。
ヴィッセル神戸とも対戦する水原三星のテーマは、世代交代だ。ベテランのヨム・ギフンはA級指導者研修でACLに参加しない。攻守の要である外国人選手アダム・タガートとドニール・ヘンリーも負傷で、カタール行きの飛行機に搭乗できなかった。ACLでの結果も重要だが、来シーズンに向けた舞台になると思われる。パク・コンハ監督は準プロ契約をしたチョン・サンビン、ソン・ホジュンもエントリーに加えた。彼らの可能性を確認しようとしている。
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