京都パープルサンガでプロキャリアをスタートさせ、オランダのPSVアイントホーフェン、イングランドの世界的名門マンチェスター・ユナイテッドでも大活躍した韓国人Jリーガー最高の出世頭は2014年5月の引退後、自身が理事長を務める『JS財団』の活動や2014年10月に任命されたマンチェスター・ユナイテッドの公式アンバサダーを務める傍ら、2016年3月からはFIFAマスターコースに入学した。
FIFAマスターコースとは、クラブ運営や国際組織をマネージメントする上で重要な組織論や法律など、スポーツマネージメント全般を学ぶFIFA(国際サッカー連盟)運営の大学院で、日本では元代表主将の宮本恒靖氏が修了したことでも有名である。
パク・チソンもこのFIFAマスターコースを履修し、この夏、約1年間に及んだ全行程を終え、無事に卒業しているのだ。
2017年9月にロンドンでパク・チソンに会ってインタビューしたが、「机にかじりついて本と睨めっこすることがこんなにも大変だとは思わなかった。サッカーのほうが、楽でした」と苦笑いを浮かべていたほどだ。
ただ、その過程で得た知識と経験を、いつかパク・チソンは韓国のみならずアジアサッカーの発展のために生かしたいと思っているという。2017年11月にKFAのユース戦略本部長への就任(現在は辞任)したパク・チソンだが、同9月にロンドンで取材したときにはこんなことも言っていた。
「指導者はできないと思ったし、解説者はタレント活動みたいなものでサッカーの面白みや楽しさは提供できても、韓国やアジアサッカーの発展には直接的に寄与できない。
僕はアジア人選手としてヨーロッパで活動して多くの声援もいただいたので、今度は韓国やアジアサッカー発展の助けになる仕事がしたかった。それで出した結論がサッカーマネージメントの道でした。
アジアには当然、日本サッカーも含まれています。Jリーグから魅力的なオファーがあり、それが魅力的な仕事で、タイミングも合えば、やらないことはないと思います。
Jリーグだけではありません。Kリーグであろうと、ほかのアジアの国であろうと、僕としてはすべての可能性をオープンにしていますから」
監督やコーチとして、解説者やタレントとして、実業家やサッカー行政家として“第二のサッカー人生”を歩んでいる懐かしの韓国人Jリーガーたち。どんな形であれ、いつか再びサポーターの前に立ち、その姿を披露してくれる日が来ることを期待したい。