Kリーグの水原三星ブルーウィングスが、“名門復権”に向けて着々と準備を進めている。
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名門を自負している水原だが、過去2シーズンはファイナルB(12チーム中下位6チーム)に終わるなど、“名門”の名はもはやかつての栄光となっている。今シーズンは一時最下位に落ちる危機に瀕し、降格圏をさまようほどのピンチだった。
イ・イムセン監督が退きチュ・スンジン監督代行が指揮を取ったが大きな効果はなかった。クラブ内部の雑音も継続してささやかれていた。危機感を覚えたクラブは水原のOBであり、2019シーズンに中国の上海申花でコーチを務めていたパク・コンハ氏を招聘した。パク監督の就任以降8試合で勝ち点14を稼ぎ、1部残留のミッションを成功させた。
今シーズンのKリーグは終了したが、水原の選手たちにまだオフは訪れない。カタール・ドーハで再開されるアジアチャンピオンズリーグ(ACL)に参加する水原は、11月22日の広州恒大(中国)戦を皮切りにACLグループリーグの残り試合を戦う。チームは11月17日にカタールへと発つ予定だ。
ドーハへの出発を控えた11月11日、パク監督はクラブハウスで記者会見を開いた。そこではACLへの抱負と来シーズンの目標、これからのチーム構想を語った。
パク監督は「(今シーズン)チームが低迷する困難な状況で就任したが、1部残留に少なからず貢献できたようだ。短い期間で選手たちもよくついてきてくれた」とし、「古巣の監督として働けて光栄だった反面、責任も感じていたし負担も大きかった。良いことばかりではなかった。クラブが1部に残留するため、何をすべきか大いに悩んだ。私自身としても今回のような試練を乗り越えることができてよかった。私の仕事はこれからがスタートだと思っている」と、シーズンを振り返った。
パク監督は就任後から積極的に若い選手を起用し、強度の高いプレスでインテンシティの高いサッカーを指向してきた。そのなかでFWパク・サンヒョク(22)、FWハン・ソクフィ(24)、DFキム・テファン(20)らのブレイクが光った。彼ら若手をベースに来シーズンに向けてのチーム作りを行うはずだ。
チーム作りに関しても「(DFラインからの)ビルドアップでゲームを組み立てるよりも、素早くパスを繋いで攻めるハイテンポの攻撃を浸透させたい。現時点ではまだまだ未完成だ。来シーズン、ファンにダイナミックで力強い印象を与えられるようなチーム作りを進めていく計画だ」と語った。
ACLの登録者リストからも若手を重用する監督の思惑が見て取れた。今シーズンからプロ契約を結んだばかりのDFソン・ホジュン(18)がリストに含まれていた。パク監督は「多くの選手をじっくりと見る機会がなかった。今回のACLは若い選手たちをチェックする良い機会になると思う」と、若手への期待をあらわにした。
パク監督の現役時代と現在の水原では異なる点も多い。彼はその現実を認めながらもより高い場所を見据えている。
「選手の顔ぶれや資金力はかつてとは異なる。私が古巣の監督に就任した理由の一つして、過去の素晴らしかった時期の再現を期待されている。そのためには少なからず時間が必要だ。すぐに変わることは難しい。クラブには新たなアタッカーの補強を要請した」とし、「水原はより高い順位にいなければならないチームだ。(来シーズンの)現実的な目標としてはファイナルA(12チーム中上位6チーム)を目指したい。それが実現されたとき、ACLでも上位に食い込めるよう挑みたい」と抱負を明らかにした。
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