今年で30歳を迎えた元柏レイソルのハン・グギョンは昨シーズン、Kリーグ1の舞台で全試合フルタイム出場を果たした。今シーズンも試合中の脳震とうで欠場するまで休まず出場し、52試合5012分連続出場という大記録を達成した。
運動量が多い中盤の選手としては驚くべき数字だ。1990年生まれの彼は、今年三十路の大台に乗ったが、出場ペースは落ちなかった。2年前に負った靭帯のケガも、徹底した自己管理とリハビリで克服した。プロとしての心構えと向上心がハン・グギョンをより強くした。
ハン・グギョンはJリーグやカタールリーグなどの海外でプレーしていた当時は、攻撃的な役割も担っていたが、韓国代表では主に守備的なボランチを務めていた。
韓国国内ではボランチとして“守備職人”のイメージが強かったハン・グギョンだが、江原FCでは“パスマスター”として生まれ変わった。今シーズンのハン・グギョンは、Kリーグ1で1試合当たり最多のパス回数を記録している。パス数は平均67.3回で、中央地帯でのパスは49.1回を記録し、最多となった。江原の指向するパスサッカーに欠かせない存在だ。
ハン・グギョンは「キム・ビョンス監督の影響は大きい。僕がもともと持っていた能力だったが、監督がより高めてくれた。最初は至らない点も多かったが、少しずつより良い選手に成長するために努力している。監督からはまだまだ指摘されることも多く、より攻撃的なタッチを多く要求される。改善しようとしてもすぐには直らない部分もあるが、序盤に比べてだいぶ良くなった」と述べた。
また年齢についても「30歳になったからといって大きな変化はない。(年齢を重ねるにつれ)少しづつ(心が)折れるように感じるという話はたくさん聞いたが、まだ大丈夫だ。自己管理によって変わるようだ」と、言葉に自信がみなぎっていた。
昨年の江原はファイナルA(リーグ上位6チーム)でシーズンを終え、“アタッキング・サッカー”で注目を集めた。今年は惜しくもファイナルB(リーグ下位6チーム)となり、物足りなさが残るシーズンとなったが、彼はチームの評価が下がったとは思っていない。
「昨年の開幕時、江原は注目されていないチームだったが、最終的にファイナルAへと上がった。今年は昨年の印象が強かったため、スタートから注目を浴びる状態だった。順位がたった1つ違うだけで成功、失敗と単純に決めつけるのは非合理的だ」と述べた。
そう語ったものの、もちろん物足りなさは残る。「外野の根拠のない話が流れて、一時チーム内で慌てたこともあった。そんなとき、より団結し心を一つにしようとした。事実、監督は普通にプレーすれば勝てる戦術を持っている。結局、選手たちの能力が戦術の有用性の裏付けとならなければならなかったのに、私たちが戦術を完璧に理解できていなかった」と説明した。
ハン・グギョンも他の選手たちと同様にキム監督を信頼している。彼は「監督が選手たちに意見を問うことがある。自分たちの考えを話すと、説得力があり反論できない回答をされるので、当然僕も認めて従うようになる。海外で出会った監督のように、私生活には口うるさくないが、トレーニング場で実力を証明しなければ試合には出られない」とキム監督について語った。
また、今シーズンはキ・ソンヨン(31、FCソウル)がKリーグ復帰を果たしており、韓国代表でパートナーを組んできた者同士の直接対決が期待された。しかし「ソンヨン先輩に負傷が多かったため対決できず残念だ。直接対決が楽しみなのは事実だ。来シーズンに期待したい」と述べた。
もう一人、ハン・グギョンを語る上で外せないのがク・ジャチョル(31、アル・ガラファ)だ。こちらも韓国代表のチームメイトであり、同じエージェント所属でもある。
「(ク・ジャチョルとは)よく連絡を取っている。悩んだときには相談することも多く、精神的な支えとなっている先輩だ。彼は自分に自信を持っている選手なので、消極的な性格の僕はいつも影響を受けている」と笑って話した。
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