パウロ・ベント監督率いる韓国代表は、来る11月15日(日本時間)にメキシコ代表、17日にカタール代表との対戦を予定している。
【注目】ウォン・ドゥジェ、A代表初招集時のフレッシュな意気込み
いずれもオーストリアで行われ、約1年ぶりとなる対外試合だが、周囲からは早くも不安の声が挙がっている。というのも、国内Kリーグやアジア各国でプレーする選手が中心のDFラインで大きな空白が生まれているからだ。
まず、左サイドバックの主力がメンバーを外れた。新型コロナウイルス感染が発覚したキム・ジンス(28、アル・ナスル)、負傷したホン・チョル(30、蔚山現代)の2人だ。
そこに加えて、センターバックの中心的存在であるキム・ミンジェ(24、北京国安)とパク・ジス(26、広州恒大)が、所属クラブの招集拒否のため招集見送りとなった。特にキム・ミンジェはベント監督から信頼を寄せられ、ポジショニングやコミュニケーションの面で役割を果たしてきただけに、不在による穴が大きい。
2人の選手が外れたセンターバック陣には、クォン・ギョンウォン(28、尚州尚武)、チョン・テウク(23、大邱FC)、ウォン・ドゥジェ(22、蔚山現代)ら既存の選手と、追加招集でチョン・スンヒョン(26、蔚山現代)が加わった。
ただ、ベント監督は選手起用の面で保守的な采配を続けてきただけに、メキシコやカタール相手にすぐに空白を埋めることは容易ではない。
そこで、急速に存在感が増してきているのがウォン・ドゥジェだ。一部では、ベント監督が来るメキシコ代表戦から彼を中心としたDFラインを組む可能性が高いと注目している。
ウォン・ドゥジェは現在の蔚山現代で主に守備的MFとして出場しているが、センターバックもハイレベルにこなせるマルチロールな選手だ。
アビスパ福岡時代からすでにセンターバックとしての経験を積んでいただけでなく、Kリーグでもチームがスリーバックを組んだ際には、フォアリベロとしてセンターバックの役割を務めた。今シーズンはシュートブロック回数でリーグ全体8位の16回を記録するなど、最後の砦として相手の前に立ちはだかった。
ベント監督も、こうしたウォン・ドゥジェのポテンシャルを高く評価。先月、国内組だけで行われたU-23韓国代表とのスペシャルマッチでは、チョン・スンヒョンらセンターバックが本職の選手ではなく、A代表初選出のウォン・ドゥジェをクォン・ギョンウォンとのセンターバックコンビに抜てきした。
そして今回、欧州遠征に臨む韓国代表メンバー発表時にも、ベント監督はウォン・ドゥジェをDFとして選抜している。
A代表のユニホームを袖を通して間もなく、DFラインの中心選手に台頭しつつあるウォン・ドゥジェ。キム・ミンジェら主力不在のなか、マルチロールぶりを発揮して自身の価値を高めることができるだろうか。
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