イ・ドングッが明らかにした引退理由「精神的に軟弱になるのは我慢できなかった」【引退会見】

2020年10月29日 サッカー #Kリーグ
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引退を宣言した元サッカー韓国代表イ・ドングッ(41)が淡々とした口調ながらも、じっくりと感想を話した。

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イ・ドングッは10月28日、全州ワールドカップ競技場で開かれた引退記者会見で、現役から退くことを決めた現在の心境を明らかにした。先立って彼はSNSを通じて引退を発表した。今年に入って膝を負傷した影響で、2カ月間の長期離脱したときに引退を決意したという。

1998年のフランスW杯で彗星のように登場したイ・ドングッは、韓国サッカーの伝説的な存在にまで上り詰めたが、今シーズン限りでスパイクを脱ぐ。

10月28日に開かれたイ・ドングッの引退会見

イ・ドングッは「今回の負傷で(選手として)残されている時間は多くないと思った。コンディションが万全ではないのに気持ちが先走ってしまい、不安をたくさん感じた。ささいなことにも虚しさを感じ、引退を考えるようになった。体が痛いのは我慢できても精神的に軟弱になるのは我慢できなかった」と、引退を決意した背景を明らかにした。

以下、イ・ドングッとの一問一答。

―引退を決めた今の感想は?

ペク・スングォン団長、キム・サンシクコーチに感謝を伝えたい。また、遠方からお越しの多くの方々のおかげで幸せな気持ちで引退ができる。体の状態は良く、平常時のコンディションまで回復した。選手生活において精神が体を支配するという考えでやってきた。長期の負傷により焦る自分自身を見て、多くのことを考えさせられた。

以前までは負傷しても積極的にリハビリをし、最高のフィジカルコンディションに作り上げ復帰していた。今回の負傷では(選手として)残された時間は多くないと思った。そうするとコンディションが万全ではないのに気持ちが先走ってしまい、不安をたくさん感じた。ささいなことにも虚しさを感じ、引退を考えるようになった。

体が痛いのは我慢できても精神的に軟弱になるのは我慢できなかった。真剣に引退を考え始めた。

―引退の決意を固めた背景は?

負傷した後、そう思った。これまで肯定的に考えていたが、歳をとるにつれ焦りが出てきたし、これ以上激しい運動をしてはいけないと思った。(選手引退後には)第2の人生があるので、あまりストレスを受けないようにした。妻と話して、辞め時が来たという結論を下した。誰が見てもそうだろう。

―現在の心境は?

万感の思いが交差している。空しさ半分、期待が半分だ。周囲からたくさん連絡がきた。もう1年現役を続けられそうなのに、なぜ辞めるのかと言う方が多かった。競争力があるときに引退をするという考えがあった。

―(競技人生で)最高の瞬間を挙げると?

プロのユニホームを初めてもらったときの記憶が浮かぶ。登録されていない33番と私の名前が入ったユニホームをもらった。そのユニホーム着て数日間は寝ていた。思い出はたくさんある。2009年に全北現代に入り、初の優勝カップを掲げたときがサッカー人生で最も華やかな瞬間ではなかったかと思う。

―30代半ばを過ぎた頃、いつも引退の話をしていたが、1年延長するたびに現役を続けてこられた原動力は?

今回もチームメイトが集まっているトークルームに引退すると伝えたが、誰も信じなかった。いつも後輩たちには今年が最後だと言っていた。現実になるとは思わなかったとチームメイトたちは話す。

長く現役を続ける秘訣は、先を見るのではなく、目の前の試合に集中することだ。年をとってできないというのではなく、真っ先に前線に立って闘志をぶつけた。私は自分の年齢を知らずにプレーしてきたようだ。自分自身の年齢を聞くと驚く。

イ・ドングッ(写真右)と、キム・サンシクコーチ(写真左)

―挫折を克服したため、より偉大な選手になったはずだ。挫折している人々に希望のメッセージを。

挫折をして大変な時期もあったが、そのたびに私より大きな挫折を経験した人々に思いを馳せた。今自身が抱いている程度の不満は、より大きい不満を持っている人よりも幸せだという考えで選手生活を送っていた。この考え方によってストレスが少ない人生を送れたようだ。

―後輩たちにアドバイスすると?

プロアスリートという職業は、先輩・後輩という関係を離れ、同僚として競争をしなければならない職業だ。(競争に)生き残ることで(現役生活を)長く続けることができる。勝ち抜くためにはオリジナルのストロングポイントを持っていなくてはならない。欠点を補完することよりも、自身の長所を他人が追いつけないほど伸ばすことで長く続けられると思う。

―どんな指導者になりたいか。

A級ライセンス取得に向けて学んでいるが、すぐに指導をしなければならないという考えはない。数年は休んで考えようと思う。私は指導者になるとしても、特別何かをすべきだとは考えてはいない。選手たちの長所を見つけ出すのが指導者の役割だと思う。

―ファンにメッセージを。

サッカー選手イ・ドングッを指導してくださった監督に感謝している。誇り1試合を済ませば、「サッカー選手イ・ドングッ」という肩書がなくなるのは寂しい。生涯サッカー選手として生きてきて、引退の準備がまだできていないようだ。とても大きな愛を受けてきた。

最後の試合まで応援していただければ、最後まで私もゴールを決めるストライカーとして準備する。感謝している。

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