この2年間、東京五輪に向けて準備に勤しんだ監督が韓国にいる。彼が始動していた期間、代表選手のランキングは上昇し、10代のとある有望株は一躍世界上位ランカーとなった。さらに、何人かの選手はメダル候補にまで急成長した。
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ところが、予期せぬ新型コロナウイルス感染症のパンデミックによってオリンピック本大会が来年に延期されると、代表合宿も実施できなくなってしまった。
そして、その監督もついに指導の場を失った。去る9月30日、彼は監督2年の任期を満了した。
2年間、代表選手と苦楽をともにしたその監督は、来年の東京五輪まで留任することを望んでいた。しかし、協会は新監督を公募で選び直すことを決めた。
ところが、任期を満了した監督は再び志願書を提出せず。結局、新たに2人の監督が志願書を提出し、面接まで終え、最終発表を待つ状態となっている。
問題は、その2人の監督どちらも、指導者として主要な国際大会の経験がほとんどないということだ。はたして、このような協会の決定が、オリンピックを控えた代表選手の競争力強化に役立つのだろうか。
以上は、韓国バドミントン協会と関連した話である。
2018年12月からバドミントン韓国代表監督を務めてきたアン・ジェチャン監督は、10月15日、「なぜ韓国代表監督に再び志願しなかったのか?」という質問に対し、「私が不徳で…」と言葉尻を濁した。
だが、彼は「これまで徹底的に代表を強化し、18歳のアン・セヨンを世界ランキング6位にまで育て上げ(現9位)、女子ダブルスでも韓国勢が世界ランキング10位以内に4組入っている。昨年1年間で選手たちの実力を大きく引き上げたが…」と、残念な気持ちを表した。
また、「私を応援してくれる方々が“志願書を出せ”と言ってくれたが、自尊心もあって幻滅を感じ、そうしなかった。すべてのスポーツ団体には派閥がある」と妙な余韻を残した。
韓国バドミントン協会の競技力向上委員会は最近、任期満了で空席となった監督を新たに公募することを会議で決め、理事会に案件を提出。その結果、議論の末に13-6で通過したという。
これについて、韓国バドミントン界のとある関係者は「中国代表では、昨年から韓国代表前監督のカン・ギョンジン氏が女子ダブルス首席コーチ、2004年アテネ五輪男子シングルス銀メダリストのユ・ヨンソン氏が男子ダブルスコーチを務めている。日本代表も、契約満了となったパク・ジュボン監督が留任した」とし、「我が協会が、オリンピックまで1年もない状況で新監督を公募するのは話にならない」と批判した。
今回の代表新監督の公募には、高陽市庁のキム・チュンフェ監督、東義大学のイ・サンボク監督が志願書を提出した。また、5人選出するコーチ陣にも7人が志願した。
韓国バドミントン協会は10月16日、コーチ面接を実施した後、高い点数を受けた監督とコーチの選任案を理事会に上げ、最終決定を下す予定だ。
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