時間の経過とともに、U-23韓国代表のカラーも多彩に変化する。
今年開催予定の東京五輪は、新型コロナウイルス感染症の影響で1年延期となった。
オリンピックの延期は、去る1月のU-23アジア選手権で優勝し、本大会出場権を手にしたU-23韓国代表にとって嬉しくない決定だった。チームを率いるキム・ハクボム監督にしても、選手たちにしても、1年があまりに長い時間であるからだ。
それでも、本来のオリンピック開幕予定日から約3カ月が経とうとしている今、U-23韓国代表はポジティブな要素を見出している。
最も嬉しい変化は、ポジション争いがいつになく激しさを増している点だ。
今回、初代表選出ながらA代表との親善試合でゴールを決め頭角を現したソン・ミンギュ(21・浦項スティーラース)や、ローテーション要員から中心選手となりつつあるオム・ウォンサン(21・光州FC)など、彼らの存在がU-23韓国代表のポジション争いを過熱させている。
加えて、U-23韓国代表の中心選手であるイ・ドンジュン(23・釜山アイパーク)、イ・ドンギョン(23・蔚山現代)、ウォン・ドゥジェ(22・蔚山現代)が今回、A代表に昇格したことも、選手たちのモチベーションにつながった。
また、新型コロナウイルス感染症の影響で今回の代表招集に合流できなかった欧州組ちも、着実にパフォーマンスを高めている。
すでにA代表の一員でもあるイ・ガンイン(19・バレンシア)は、昨シーズンよりも多く試合に出場し、実戦感覚を引き上げている。バイエルン下部組織出身のチョン・ウヨン(21・フライブルク)も、ブンデスリーガ開幕から3試合すべてに出場し、トップチームに定着しつつある。
U-23韓国代表内で最もポジション争いが激しいウィンガーと攻撃的MFが事実上“飽和状態”であることから、キム監督は幸せな悩みを抱かざるを得ない。
キム監督は、より多彩な組み合わせを念頭においてオリンピック本大会への準備を進められるようになった。手札は多ければ多いほど良い。
選手からすればポジション争いの激化には緊張感を持たざるを得ないが、チームとしては健全な発展を遂げていると言っていい。オリンピック本大会まで残り約9カ月。開幕は来年7月を予定しているが、どの選手がピッチに立つかはわからない。既存の主力選手であっても、オリンピックメンバーに選ばれる確約は無い。
A代表選出歴のある選手も同様だ。オリンピックはわずか18人しかエントリーできない。加えて、オーバーエイジ枠で3選手が合流できる。オリンピックでメンバー入りを果たすには、険しすぎるポジション争いを勝ち抜かなければならない。
今回行われたA代表とのスペシャルマッチは2戦合計2-5で敗れてしまったが、来るべきオリンピックに向けて多くの収穫を得たといって良いだろう。
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