コーチからの「常習的な性的暴行」に苦悶していた金メダリストの涙の訴え

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平昌五輪まで一月も残っていない2018年1月頃、シム・ソクヒ選手に対するチョ・ジェボムコーチの暴行が世に知られるようになりました。シム・ソクヒ選手のほかにも多数の被害者が告訴し、チョ・ジェボムへの捜査が進み、2018年9月19日の水原地裁城南支院(第1審)でチョ・ジェボムは懲役10カ月の実刑判決を受け、法廷拘束されました。

その後、検察とチョ・ジェボム双方の控訴によって、水原地裁第4刑事部で控訴審裁判が行われ、2018年12月17日に最終公判があり、2019年1月14日に控訴審の判決宣告が予定されています。裁判部の意見に基づいて2018年12月17日に行われたチョ・ジェボムの最終公判期日には、シム・ソクヒ選手が勇気を振り絞って出席し、被害事実等に関する意見を陳述しました。

法務法人世宗ではこれを控え、2018年12月13日にシム・ソクヒ選手と会議をし、この事件が常習的な暴行や傷害で終わる事件ではないことを確認しました。

それについて2018年12月14日に法務法人世宗の女性弁護士がシム・ソクヒ選手と1対1で面談を行ったところ、シム・ソクヒ選手が17歳の未成年者だった2014年頃から、チョ・ジェボムが暴行と暴言、脅迫などを手段とする性的暴行犯罪を常習的に行ってきたという陳述を聞くことになりました。

またシム・ソクヒ選手のチョ・ジェボムに対する処罰意思を確認し、慎重な議論の末、シム・ソクヒ選手を代理して2018年12月17日午前、京畿南部地方警察庁にチョ・ジェボムを「児童・青少年の性保護に関する法律違反(強姦傷害)」などの疑いで告訴しました。

当時警察は、チョ・ジェボムの携帯電話など証拠を確保する必要があるとして、告訴関連事実を秘密にしてほしいと要請してきました。シム・ソクヒ選手と協議し、当日午後に予定されていた刑事公判期日には、やむを得ず傷害に関してのみ被害者の陳述を行いました。

シム・ソクヒ選手の陳述によれば、本件は、韓国を代表する国家代表選手に対し、指導者が上下関係を利用して暴行と脅迫を加えただけでなく、選手が17歳の未成年者の頃から平昌五輪の直前までの約4年間、常習的な性的暴行を行ってきた事件で、これは絶対に看過されてはならない重大な犯罪行為です。

特に犯罪行為が行われた場所に、韓国体育大学スケートリンクの指導者ロッカールームや、鎮川(チンチョン)選手村スケートリンクのロッカールームなど、国が直接管理する施設が含まれているという点は、国家体育施設の管理がいかにずさんなのか、また指導者の暴行が選手たちにさらされているにもかかわらず、まったく抵抗できないほどの抑圧を受けてきたことをよく示しているといえます。

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