「率直な心情としては(キ・ソンヨンと)対戦したくない」
1707日ぶりの対決。しかもKリーグの舞台で初めてキ・ソンヨン(FCソウル)との対戦を控えたイ・チョンヨン(蔚山現代)が、笑顔を浮かべた。
イ・チョンヨンは8月30日17時30分に始まるKリーグ第18節、FCソウルとのホームゲームを前にして行われたメディアデーで、率直な感情を表現した。
全北現代とし烈な優勝争いを行っているなか、自分を成長させてくれた古巣FCソウルと対戦するだけでなく、さらに親友と敵として向かい合わなくてはならない状況に、複雑な感情を持っている。
イ・チョンヨンとキ・ソンヨンは2006~2009年、FCソウルで同じ釜の飯を食べた。イ・チョンヨンは1988年生まれ、キ・ソンヨンは1989年の早生まれなので、2人は同級生の友人として過ごしてきた。
2人は当時、Kリーグに“10代突風”を巻き起こし、U-20ワールドカップ代表(2007年)を経て、A代表の主力メンバーとして活躍した。そして2009年には一緒にヨーロッパの舞台に進出し、今年になって11年ぶりにKリーグに戻ってきた。
ただ復帰の過程で、運命が分かれた。2人の優先交渉権を持つFCソウルだったが、イ・チョンヨンとの交渉はまとまらなかった。彼に2年前からラブコールを蔚山現代がイ・チョンヨンを獲得した。キ・ソンヨンも当初は交渉がまとまらず、スペインのマジョルカと4カ月の短期契約を結んだ。しかし今夏、FCソウルが再び手を差し伸べ、キ・ソンヨンの古巣復帰が実現した。
ヨーロッパにいるときだけでなく、2人はKリーグ復帰の過程でも互いにアドバイスを惜しまず、未来を応援した。ところが運命のいたずらのように、Kリーグで対戦することになった。
イ・チョンヨンとキ・ソンヨンが違うユニホームを着て対戦したのは、過去に一度だけだ。イングランド・プレミアリーグでプレーしていた2015年12月28日、イ・チョンヨンのクリスタル・パレスとキ・ソンヨンのスウォンジー・シティが英ロンドンで激突した。
交代メンバーに含まれていた2人は、後半に入ってピッチを踏んだ。キ・ソンヨンが後半11分に、イ・チョンヨンが後半26分に途中出場し、チームの勝利のために死力を尽くした。結果は0-0の引き分けだった。
イ・チョンヨンはメディアデーで当時を振り返り、「相手チームとして1度試合したことがあるが、今週末に対戦することになれば、友情はひとまず置いておいてチームの勝利に集中する」と述べた。
イ・チョンヨンはKリーグ復帰後、蔚山現代で現在までに4つの攻撃ポイント(3ゴール1アシスト)を記録した。
一方のキ・ソンヨンは、FCソウル合流後、足首の負傷でリハビリに専念し、復帰戦を行っていない。しかし最近、チームの練習に合流し、練習試合まで消化したことで知られる。
まだフルタイム出場は難しいと思われるが、試合の状況に応じて後半の途中出場が期待される。イ・チョンヨンは、「(キ・ソンヨンが復帰戦を)少なくとも今週までは焦らないでほしい。彼がプレーすると、僕たちが難しい試合になる可能性がある」と笑ってみせた。
蔚山現代は勝ち点42で、全北現代(勝ち点41)を勝ち点1差でリードしている。対するFCソウルは、キム・ホヨン監督代行体制となって4戦連続無敗(3勝1分)でリーグ6位(勝ち点20)まで浮上した。
上昇中の両チームの譲れない対戦だけに、キ・ソンヨンとイ・チョンヨンの対戦はより一層の関心を集めている。
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