ユベントスが指導者としての経験がまったくないアンドレア・ピルロを監督として選任する破格の決定を下した。
ユベントスは8月9日、ピルロ監督選任を発表した。
これに先立ってベテランのマウリツィオ・サッリ監督がUEFAチャンピオンズリーグ16強脱落の責任を負ってそのポストから退いた中で、40代序盤のピルロ監督を新しい指揮官に立たせた。契約期間は2年で、ピルロ監督は2022年夏までユベントスを率いることになる。
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文字通り破格だ。というのも、ピルロ監督は指導者の経歴がない。
昨年8月、UEFAプロライセンスを取得し、指導者になるべく手順を踏んだ。先月末にはユベントスU-23チームの司令塔に選任され、本格的に監督の仕事を遂行する予定だった。
一方でユベントスの次期監督候補には、マウリシオ・ポチェッティーノをはじめとする経験豊かな監督たちの名前が挙がっていた。しかし、ユベントスの最終決定はピルロだった。
イタリア・メディアの『Di Marzio』の報道によると、ユベントスのアンドレア・アネッリ会長がピルロ監督選任を積極的に推進したという。
アネッリ会長は2011年、ACミランでプレーしていたピルロを迎え入れた人物でもある。アネリ会長は「ピルロは監督として初心者だが、チームを成功に導くだろう」と期待している。
もともとユベントスはイタリア出身の指導者を重用する傾向が強い。
歴代31人の監督の中で外国人は13人に過ぎない。1976年、ジョバンニ・トラパトーニ監督を皮切りに、44年間自国イタリアの指導者らが采配を振るってきた。
外国人監督はフランス国籍のディディエ・デシャン監督(2006-2007年)が唯一なほど、監督選任に保守的な方だ。
もう一つの候補としてラツィオのシモーネ・インザーギ監督がいたが、ユベントスは指導者の名声をさらに考慮したようだ。
サリ監督は戦術的な能力が認められた指導者だが、リーダーシップが足りないという指摘をよく受けた。選手団内部での不和説もしばしば提起された。
ピルロの場合、選手時代の名声があまりにも優れているため、選手たちが彼を軽んじることはないとメリットがある。
ユベントスはクリスティアーノ・ロナウドのようなスーパースターさえも尊重する監督が必要だった。
ピルロは現役時代、イタリア代表として活躍し2006年ワールドカップ優勝も経験した、Aマッチ116試合出場のレジェンドでもある。
ユベントスでセリエA優勝4回、ACミランではUEFAチャンピオンズリーグ優勝2回を経験した。イタリアで最高の選手が集まるユベントスには、戦術的能力を備えたリーダーよりも、選手団を掌握して一つにまとめることができる監督が赴任したほうが良いという見方もある。
結果は誰にも分からない。
かつてジネディーヌ・ジダンがレアル·マドリードの監督になったとき、リザーブチームである程度の経験を積んだ後、トップチームを引き受けたことが成功的に働いたが、ピルロは監督としてまったくの「素人」だ。
ユベントスという巨大なチームを率いることになっただけに「一か八か」という疑念を取り除くことが、ピルロの監督としての役目となる。
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