悪質コメントによる悲劇再び…指導者も被害受ける韓国スポーツ界、求められる“変化”とは

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韓国Vリーグ女子部の現代建設ヒルステートで活躍したコ・ユミンが、7月31日に光州(クァンジュ)市五浦邑(オポウプ)の自宅で遺体で発見された。25歳だった。

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警察は部外者の侵入や犯罪容疑点がない点から、コ・ユミンが自殺を図ったものと推定している。

光州警察署は、故人の携帯電話をデジタルフォレンジックで分析し、より正確な死因を明らかにする予定だ。

チーム退団後も悪質コメントを寄せられ…

コ・ユミンは昨シーズン、チーム内の事情によりポジション変更されたことで適応に苦しんだ。結局、今年3月に協議なしでチームを離れ、任意脱退となっていた。

(写真提供=KOVO)生前のコ・ユミン

故人は退団後も悪質な書き込みに苦しんでいたことが分かった。去る5月には自身のSNSで「ファンでもないのに、私に世間知らずの忠告のような文は送らないでほしい」とし、「私ももう一般人なので黙っていない」と警告のメッセージを伝えていた。

数年前までは投稿に対する悪質なコメントが一般的だったが、最近ではスポーツ選手や指導者の個人SNSに直接メッセージを伝える“ダイレクトメッセージ(DM)”が大きな影響力を及ぼしている。

投稿へのコメントは読まなければ済むとはいえ、私的な領域に送られてきた悪質なメッセージを無視するのは難しい。

最近では、韓国プロ野球のLGツインズ内野手オ・ジファンの妻キム・ヨンウンが、夫に対し連続で否定的な内容のDMを送ったネットユーザーを告訴した。

問題のDMには、オ・ジファンの兵役逃れ疑惑に対する内容が盛り込まれていたという。

指導者も悪質コメントの被害に「とても苦しかった」

スポーツ界の悪質コメント問題は昨日今日の話ではない。

現在、Kリーグ2(2部)の大田(テジョン)ハナシチズンで理事長を務めるホ・ジョンム氏が10年前にサッカー韓国代表監督の座を退いたのも、“悪質コメント”が理由にあるという。

ホ・ジョンム氏

ホ・ジョンム氏は、2010年南アフリカW杯で韓国代表を国外開催大会初の決勝トーナメント進出に導いた後、相次ぐ続投要請に応えず監督職を退いていた。

その理由を、今年6月に行った本紙『スポーツソウル』の創刊インタビューで次のように明かしている。

「代表チームにいながらとても苦しかったのが悪質コメントだった。我々は本当に避けるべきだ。スポーツ分野だけでなく、社会全体から見ても悪質な書き込み自体が弊害だ。悪質な書き込みが、敵味方の分裂や両極化をあおっている。これをそのままにしておくのが理解できない。社会全般で考えなければならない問題だ」

スポーツ界に求められる“変化”

悪質コメントはスポーツ界に限られた問題でもない。社会の各分野で問題点として指摘される事案だ。

そのなかで、“スポーツ界だけが寛大ではないか”という見方が存在する。

昨年、歌手のク・ハラやソルリの悲劇的な事件を受け、無差別な悪質コメントが社会問題へと発展した。NAVER(ネイバー)やDaum(ダウム)、NATE(ネイト)など韓国の大手ポータルサイトは、芸能記事のコメント欄を廃止している。

だが、スポーツ界の状況は未だ変わっていない。

スポーツ記事のコメント欄は依然として開かれており、悪質な書き込みも容易に見つけられる。こうした状況から、内部から「スポーツが国民の解憂所(ヘウソ/懸念を解く空間)になっていないか」という不満も出ている。

すでにスポーツ界では、悪質な書き込みによって多くの犠牲者と被害者が生まれてきた。

これ以上、悪質な書き込みによる悪循環が繰り返されないためには、実名制の導入やコメント欄の閉鎖など、より合理的な制度改善が必要になるものとみられる。

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