かつてJリーグを沸かせた韓国人ストライカーの2人が、監督として相まみえることになった。
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来る7月15日、大田ワールドカップ競技場でFAカップ4回戦の大田ハナシチズン対FCソウル戦が行われる。
Kリーグ2(2部)所属の大田を率いるのはファン・ソンホン監督。現役のころはセレッソ大阪時代の1999シーズンに韓国人選手初のJリーグ得点王に輝き、その後柏レイソルでもプレーした。
対するKリーグ1(1部)所属のソウルで指揮を執るのはチェ・ヨンス監督だ。彼も現役時代はJリーグでプレーし、ジェフユナイテッド市原(当時)や京都パープルサンガ(当時)、ジュビロ磐田で活躍した。
ファン・ソンホン監督にとって、ソウルとの対戦は特別なものといっていい。
というのも、彼も去る2016年6月から2018年4月までソウルの監督を務めていたのだが、“歴代最悪”と呼ばれる2018シーズン、開幕から下位低迷が続いたことで成績不振を理由に解任されていたのだ。
ファン・ソンホン監督はソウルを率いる以前、2010年台初期に浦項スティーラースで組織的かつ攻撃的なパスサッカーを披露し、Kリーグを席巻した。バルセロナの“ティキタカ”とクラブ名をもじった「スティールタカ」という新たな戦術トレンドさえ生まれたほどだ。
さらには、2013年にKリーグとFAカップで優勝し“2冠”を浦項にもたらしていた。
それだけに、不名誉な思い出が残るソウル相手に一矢報いたいところだろう。
一方のチェ・ヨンス監督は2018シーズン途中、ファン・ソンホン監督体制下でつまずきどん底に沈んでいたソウルの監督に就任し、“火消し役”として降格危機から救った。
そして、2019シーズンは前年に低迷したチームをリーグ3位に導き、今シーズンも引き続き指揮を執っている。
2018シーズンを境に評価が分かれた2人だが、2020シーズンだけを見るとその真逆だ。
ファン・ソンホン監督はKリーグ2(2部)で大田を率いて2位と好調な反面、チェ・ヨンス監督のソウルは現在Kリーグ1(1部)10位と低迷が続いているのだ。
ソウルは第11節まで終えてすでに7敗。“スロースターター”というにはあまりに成績が良くない。
このように、2年前とまったく異なる状況で“ファンセ(コウノトリ)”ことファン・ソンホン監督と“トクスリ(鷲)”ことチェ・ヨンス監督は対峙することになった。
今回は勝敗が必ず決まる一発勝負。不名誉な思い出を払しょくしたいファン・ソンホン監督が低迷する古巣に引導を渡すか、はたまた“消防士”としてソウルを救ったチェ・ヨンス監督が笑うか。
日本でも活躍した元Jリーガー監督対決の行方は一体どうなるのか、早くも関心が集まっている。
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