かつて日本で活躍した“韓国人Jリーガー”は、今どこで何をしているのだろうか。
【写真】アン・ジョンファンがファッションショーに出演!? 現役時代の驚きのモデル姿!
1993年のJリーグ開幕以降、日本では多くの韓国人選手がプレーしてきた。2008年にアジア枠が設けられてからはその数もさらに増加。その系譜は今も続いているが、気になるのは“彼らのその後”だ。
日本にまでは伝わってこない引退した韓国人Jリーガーたちはその後どうしているのだろうか。
調べてみると、Kリーグで監督やコーチを務める者もいれば、芸能化に進出した者、さらには現役時代からは想像もできない新たな道に進む者もいて興味深い。
今回は、韓国代表やJリーグで活躍したエースストライカー、アン・ジョンファンの現在を紹介しよう。
中田英寿に続く形でペルージャの門を叩き、韓国サッカー界初のセリエA進出選手でもあるアン・ジョンファン。
現役時代は韓国で「指輪の帝王」「ファンタジスタ」とさまざまな別名で呼ばれ、そのルックスの良さからJリーグ進出時は「韓国のベッカム」の触れ込みで来日しただけに、その名前と顔を覚えている人も多いはずだ。
韓国代表がベスト4進出を果たした2002年ワールドカップでは、決勝トーナメント1回戦で劇的なゴールデンゴールを決めイタリア撃破の立役者となるなど、世界中から注目を集めた。
Jリーグでは清水エスパルスと横浜F・マリノスに所属。特に、マリノス時代の2004年にはチーム最多の12ゴールを記録し、リーグ優勝にも貢献した。
その後、フランスやドイツ、韓国、中国と各地を転々としたアン・ジョンファンは、2012年1月に現役を引退。直後には韓国プロサッカー連盟の広報室長に就任し、Kリーグを盛り上げるべく奔走したこともあった。
そんな彼は2013年から芸能界に進出。主にスポーツバラエティでMCやレギュラーメンバーを務めるようになり、今では人気タレントの一人に挙げられている。
なかでも、最近では韓国で毎週日曜21時から放送されている「ムンチョヤ・チャンダ(団結して蹴ろう)」が人気だ。
2019年6月からスタートした同番組は、プロバスケやプロ野球、五輪メダリストなど、サッカー以外のスポーツレジェンドを中心に集められた「オッチョッタFC」をアン・ジョンファンが監督として率い、草サッカーチームやKリーグチームに挑む内容となっている。
アン・ジョンファンが率いているとはいえ、未経験者で構成されたチームで勝つことは厳しいようだ。記念すべき初公式戦では0-11と惨敗。ここまでの戦績も3勝2分20敗と圧倒的に負け越している。
そんな「オッチョッタFC」は、直近の放送で本格的に大会に出場することが発表。“ベスト4“という目標も掲げられた。アン・ジョンファン率いる素人軍団が「2002年W杯と同じような快進撃をみせるのか」と、視聴者からは多くの関心が寄せられているという。
ほかにも、ピザデリバリー専門店の運営に挑戦するバラエティなどスポーツ以外の幅広いジャンルにも出演しているアン・ジョンファン。
それだけに人々の注目度が高いようで、韓国体育大学スポーツ分析センターの集計では元フィギュア選手のキム・ヨナや韓国女子ゴルフの“レジェンド”朴セリらを差し置き、スポーツ出身タレントの中で最も関心度の高い人物にアン・ジョンファンが選ばれたこともあった。
とはいえ、彼は韓国を歓喜の渦に包んだ稀代のストライカーだ。本人も「自分は”サッカー人”。芸能ももちろん良いけど、結局はサッカーに携わるべき人間」と言うように、サッカーに対する思いに変わりはない。
現在もテレビに出演する傍ら、ワールドカップなどでは韓国代表の試合解説も務めている。
では、いずれアン・ジョンファンがサッカー界の第一線に復帰する可能性はあるのだろうか。
アン・ジョンファンは去る2014年にA級指導者ライセンスを取得している。そのため、オファーがあればクラブチームの監督を務めることができる。
また、昨年には代表監督の資格を得られるP級指導者ライセンス取得の準備を進めているとも伝えられた。今は芸能界で活躍しても彼の監督転身を待ち望むサッカーファンが多いのは、こうしたことも関係しているのかもしれない。
もっとも、アン・ジョンファン自身はいたって冷静なようだ。「やるなら最大限、完璧に準備して臨みたい。多くを学んでから臨んだほうが失敗する確率も減るだろう」と復帰時期を慎重に見計らっている。
指導者として“結果を残せる”と確信できたとき、かつての英雄はまたピッチに戻ってくるはずだ。
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