7月に入って行われた韓国Kリーグ第10~11節の12試合では、計47ゴールが生まれた。1試合当たり3.92ゴールと、ほぼ4ゴールに達する。まさに“ゴールラッシュ”だ。
ただKリーグにおいて“7月のゴールラッシュ”は、今シーズンに限定されない。
7月14日、韓国プロサッカー連盟が発表した最近5年間(2016~2020年)の月平均得点分布の資料を見ると、シーズン開幕から徐々に増加して「7月に最高値」を記録し、以降は減少傾向を見せている。
昨シーズンの1試合当たりの平均ゴール数を月別に見ると、3月2.38ゴール、4月2.33ゴール、5月に2.5ゴール、6月2.78ゴールと平均2点強で少しずつ上昇し、7月に3.00ゴールを記録した。そして8月2.73ゴール、9月2.58ゴール、10月2.45ゴールと減少している。
新型コロナの影響で5月に開幕した今シーズンも、傾向は似ている。5月の平均2.00ゴールを皮切りに、6月2.60ゴール、そして7月はここまで3.92ゴールと爆発的に上昇した。
2017年(3.00ゴール)、2018年(3.03ゴール)を含め、最近5年間では2016年(2.89ゴール)を除き、4シーズンいずれも7月の平均得点はすべて3.00ゴール以上だった。7月最初の試合であった第10節の6試合では、なんと計28ゴールが生まれた。これはKリーグ1の12チーム体制におけるラウンド歴代最多ゴールだ。
過去5年間、1カ月間で計100ゴール以上を記録したのは5回。そのうち7月が3回に上る。2016~2018年の3年連続で7月に行われた計36試合で100ゴール以上(2016年104ゴール、2017年108ゴール、2018年109点)を記録した。1カ月間で100ゴール以上を記録したのは他に、2018年4月(101ゴール)と8月(111ゴール)だ。
では、なぜ7月にゴールが量産されるのだろうか。
客観的に提示する根拠は、特にない。ただ韓国プロサッカー連盟は、天候や試合感覚の上昇を要因として分析した。
7月は梅雨の時期であるため、雨や湿度が高い状況で試合が多く行われる。ボールと回転速度の増加、不規則なバウンドなどで、ディフェンダーに不利な環境というわけだ。また蒸し暑い天気に加え、試合数の増加(1カ月間に6試合以上)で体力と集中力が落ちることも関係していると推測した。
さらにシーズン中盤に当たる時期なので、選手たちの実戦感覚の前述した環境がかみ合うことも挙げた。他にも、相手チームの戦力分析がシーズン序盤より具体化される時期で、順位に負担が少ない時期ということもあり、積極的な戦術がとらえる傾向にあるとも考えられる。
サッカー界では、蒸し暑い天気であるため、メンバー豊富なチームが効率的なローテーションで多得点試合を繰り広げるからとの解釈もある。逆に弱いチームは体力が落ちて、失点が多くなる。
「ブラジル人選手たちが夏に強い」という俗説もある。コンディション自体が高温多湿な夏に適しているという話だが、それは実際の記録でも証明される。
例えば2017シーズンの得点王に輝いたジョナサン・アパレシド・ダ・シルバは、同年7月に9ゴールを記録してKリーグの月間最多得点タイ記録を残した。2018シーズン得点王のマルコス・ヴィニシウス・アマラウ・アウヴェスも7月に5ゴール、8月に6ゴールと夏に強かった。ブラジル人ではないが、2019シーズンの得点王アダム・タガート(オーストラリア)も7月に6ゴールを決めた。
今シーズン得点首位を走る蔚山現代FCのブラジル人FWジュニオール・ネグランは、7月の2試合で早くも5ゴールと爆発している。3年前のジョナサン・アパレシド・ダ・シルバの記録を超える勢いだ。
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