女子カーリングの前韓国代表である慶北(キョンプク)体育会“チーム・キム”のスキップであるキム・ウンジョンは、今年2月に行われた平昌(ピョンチャン)五輪を輝かせた最高のスターのひとりだ。
氷の上で黒い円形メガネをかけ鋭い眼光で冷徹な判断を下し、繊細な投げ込みを見せたことから“メガネ先輩”という愛称も得た。彼女が叫んだ「ヨンミヤー」は流行語にもなった。
そんな“メガネ先輩”旋風は平昌五輪の話題だった。特に日本との準決勝で勝負を決めたドローショットを放ったあと、熱い涙を流した姿はオリンピックを代表する名場面のひとつとなった。
(参考記事:「賞金総額は1億ウォン」“メガネ先輩”ら韓国カーリング女子が暴露した指導者らの悪行)
決勝でスウェーデンに敗れてしまったが、アジア・カーリング史上初めて銀メダルも獲得した。
趣味としてインテリアと料理を楽しむなど、競技場の外では“天生女子(チョンセン・ヨジャ)”になるキム・ウンジョンのキャラクターは、大衆たちから愛された。
彼女はマイナースポーツだったカーリングを人気スポーツへと押し上げることにも大きく貢献した。3月の平昌パラリンピックでは聖火の最終点火者も務め、その人気の高さをさらに実感させた。
キム・ウンジョンの人気は単純に外見や実力だけではなく、彼女のリーダーシップも一役買った。カーリングはスキップのショットで勝敗が左右されることが多いが、すべてのチームメイトたちがそれぞれの力量を発揮してこそ成功する種目でもある。
それでもキム・ウンジョンは、「私が完璧なショットをすれば、完璧な試合になる」という言葉をA4用紙に書き込み、それを五輪選手村の宿舎に張り付けて自分との戦いを続けた。
また、「どんな状況でも道がないわけではない。良い状況ではなくとも、私がかならず解決しようと自分に言い聞かせた」と明かし、拍手喝采を浴びた。
そんなキム・ウンジョンは2018年7月、大邱(テグ)でスケート講師をしている男性と結婚した。約5年の交際を経ての結婚だったそうだが、周囲が交際過程に気づかなかったほど徹底的に秘密を守って結ばれたサプライズ婚だった。
もっとも、彼女にとって2018年は愉快なことばかりではなかった。