順調な滑り出しを見せていたチームが初の3連敗を喫したことで、ナ・サンホ(22)の負担が大きくなっている模様だ。
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FC東京から2020年末までのレンタル移籍で城南FCのユニホームを着ることになったナ・サンホは、去る6月11日にチームに合流した。
来る25日に開くKリーグ選手追加登録期間に登録を終えたら、すぐに試合に出場することができる。
城南関係者は、「ナ・サンホはまだ戦術練習を消化していない。個人でフィジカルを作ることに注力している」と新加入選手の近況を伝えた。
一方、チーム率いるキム・ナミル監督は「ナ・サンホのコンディションは良い。(Jリーグで長期間実戦の場が無く)試合感覚の問題はあるが、紅白戦などを通じて引き上げようとしている」と述べた。
そして、「身体の状態が良ければ(選手登録期間開始直後の)27日の釜山アイパーク戦からの起用を考慮している」と示唆した。最低でも後半からのジョーカーとして、ナ・サンホを出場させる意思を示している。
ナ・サンホは新型コロナウイルス感染症の影響でシーズンが中断される以前まで、FC東京が戦った4試合(リーグ1試合、ACL3試合)すべてで招集メンバーから外れた。
彼が最後に出場した公式戦は、昨年12月18日のE-1サッカー選手権決勝の日本戦だ。約6カ月近く実戦を戦えていないだけに、本来のパフォーマンスを取り戻すには時間を要するだろう。
それでも、キム監督が加入間もないナ・サンホはすぐに起用する旨を話したのは、やむを得ないチーム事情があると同時に選手たちの奮起を求める意図が強い。
城南は5月に行われた4試合で2勝2分と無敗を記録。5月の月間最優秀監督にキム監督が選ばれるなど、好調なスタートを切っていた。
しかし、6月に入ってからは低迷。大邱FC戦(1-2で敗北)、蔚山現代FC戦(0-1で敗北)、水原三星ブルーウィングス戦(0-2で敗北)と3連敗を喫し、順位も12チーム中8位まで落ち込んでしまった。
最も大きな問題は、守備から攻撃へ転換するトランジションの場面だ。
序盤戦は元Jリーガーのベテランストライカー、ヤン・ドンヒョン(34)がフィニッシャーの役割を担いつつ、攻撃が停滞した際には2列目まで下りてボールをキープし、他の攻撃陣をサポートしていた。
だが、相手がこのパターンを読んでヤン・ドンヒョンを徹底マークしたことで、城南の攻撃は推進力を失ってしまった。
代わりにチェ・オベク(28)や2001年生まれの新鋭ホン・シフ(19)が最前線で闘志あふれるプレーを見せているが、決定力の面では限界を見せている。
結局、連敗した3試合では大邱戦でのヤン・ドンヒョンのPKが唯一ゴールネットを揺らした。フィールドプレーからは1ゴールも生まれなかった。
直近に行われた16日の水原三星戦では、ヤン・ドンヒョンを控えに回しイム・ソンヨン(32)とチェ・オベクを前線に配置する事実上の“ゼロトップ”戦術を展開したが、成果は現れなかった。
キム監督としては、変化に富んだ動きと決定力に優れるナ・サンホがヤン・ドンヒョンのパートナーとして役割を果たしてくれることに期待している。
だが、当のナ・サンホ本人としては負担が大きくならざるを得ない状況だろう。
彼は最近、マスコミ各社からのインタビュー依頼を丁重に断り黙々と個人練習に励んでいるという。
ナ・サンホは迫るKリーグ・デビュー戦で期待通りの活躍を披露できるだろうか。
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