韓国プロ野球の“暗部”か。八百長の当事者が現役選手の実名を暴露して波紋

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なぜゴールデングローブ賞授賞式が行われた12月10日だったのか。疑問だけが残る記者会見だった。

2015年に韓国プロ野球界を揺るがした八百長事件の中心人物にあたるムン・ウラムとイ・テヤンが記者会見を開催し、一部の疑惑に対して無念を訴えた。記者会見の題名は「元プロ野球NCダイノス投手イ・テヤン記者会見」。イ・テヤンは、八百長疑惑で韓国野球委員会(KBO)から永久除名処分を受けた“友人”ムン・ウラムの無念を訴えるために記者会見を開いた。

八百長が事実であることが明らかになり、同じく永久除名となったイ・テヤンは「私の過ちによって不当な濡れ衣を着せられたムン・ウラム選手の真実を明らかにするために、この会見を開いた」と話し、自身が八百長に加担した経緯を明かした。

ところがイ・テヤンは、準備していた記者会見文を読みながら八百長の顛末を明かす過程で、数人の元・現役プロ野球選手の実名を挙げた。ブローカーのチョ氏が自分に八百長を提案した過程を説明しながら、それに加担したというプロ野球選手の実名を公開したのだ。取材陣に提供された記者会見文には名字だけが書かれており、名前は空欄になっていたが、イ・テヤンは実名を公言。彼は「ブローカーのチョ氏から情報提供を受け、八百長に加担した選手たちをなぜ調査しないのか」と検察の調査に疑問を呈した。

八百長に関する記者会見を開いたイ・テヤン(左)とムン・ウラム

イ・テヤンの発言で、韓国プロ野球界は大騒ぎとなった。

記者会見で実名が挙がった選手のなかには、現在チームの主軸として活躍している選手も含まれており、波紋が広がった。実名が挙がった選手らの所属球団は、直ちに該当選手に事実確認を行って公式立場を発表。球団の立場は一様に「嫌疑なし」「事実無根」であった。特に名指しされたC選手とE選手は名誉毀損にあたると、イ・テヤンとムン・ウラムを相手に法的対応を取ると明らかにした。

結果的にムン・ウラムの無念を訴えるために開かれた記者会見は、イ・テヤンの実名公開が大きな話題を集めながら“暴露合戦”となってしまった。記者会見後、質疑応答の時間を一切設けなかったことも、議論が大きくなる原因となっている。

ムン・ウラムの濡れ衣を晴らすという純粋な意図も、実名の暴露によって変質した。この日は、韓国プロ野球の一年を締めくくるゴールデングローブ賞授賞式が開催される日だった。実名が公開されて物議となったE選手は、最終的に授賞式に出席することもできなかった。

韓国プロ野球界の“暗部”を浮き彫りに…?

そのためわざと日にちを選んで、関心を集めたという疑惑も提起されている。

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