模索は続いているが、突破口は未だ見えない。
【あの人は今】サガン鳥栖の“永遠の10番”キム・ミヌが母国で名門復活を担う
元サガン鳥栖のキム・ミヌ(30)らが所属する水原三星(スウォン・サムスン)ブルーウィングスは、去る6月7日にホームの水原ワールドカップ競技場で行われたKリーグ1(1部)第5節で光州(クァンジュ)FCに0-1で敗れた。
1勝1分け3敗(勝ち点4)となった水原三星は、順位を12チーム中9位にまで落とした。
2試合連続ノーゴールだ。直近3試合で挙げた得点はわずかに一つ。といっても、フィールドゴールではなく第3節の仁川(インチョン)ユナイテッドFC戦でのペナルティキックである。
水原三星はここまでリーグ5試合を戦い合計3得点、一試合に換算して0.6得点と“ゴール欠乏症”に悩まされている。
チーム率いるイ・イムセン監督は攻撃陣の組み合わせを変えつつ解決策を模索しているが、容易ではないのが現実だ。イ監督は光州FC戦直後、「それでも攻撃陣がチャンスを生み続けている。繰り返しゴールを決め、自身を付ける方法に進まなければならない」と原論的なコメントを述べている。
監督が期待したアダム・タガード(27)とスレイマン・クルピッチ(29)の外国人デュオも不発だった。彼らは第3節の仁川戦と第4節の釜山(プサン)アイパーク戦でコンビを組んだが、ゴールやアシストを記録できなかった。
そして、イ監督は光州FC戦でタガードとイム・サンヒョプ(31)の2人を前線に並べた。開幕前からコンディションが良かったイム・サンヒョプのスピードと突破力に活路を見出しての采配だったが、彼は結局一本のシュートも放てないまま後半15分にベンチへと下がった。
同31分からはタガードに代わりクルピッチが出場したが、同じくシュート回数はゼロに終わり、ゴールを決めることができなかった。
攻撃までの過程は決して悪いわけではない。
ホン・チョル(29)が負傷離脱中ではあるが、中盤ではキム・ミヌが豊富な運動量を活かしてサイドで自身の役割を忠実にこなしている。大ベテランのヨム・ギフン(37)も、中央で適切にボールを配給する役目を果たしている。
光州FC戦、水原三星の攻撃地域でのパス回数は165回と光州FC(70回)の2倍を超える数値を出していた。しかし、結果として勝利に結びつくことは無かった。
タガードの沈黙は特に深刻だ。5月8日にリーグが開幕してから5試合が経過して未だに無得点である。
チャンス自体はあるものの、昨シーズンに20ゴールを叩き出して得点王に輝いた選手とは思えない決定力の低さで、ゴールを決められずにいる。光州FC戦でも3度シュートを試みたが、いずれも有効的ではなかった。試合中も終始優れない表情を見せている。
とはいえ、代わりとなるメンバーがいない水原三星としては、不調のタガードに頼らざるを得ない実情がある。
手術をおえてリハビリ中のキム・ゴンヒ(25)はまだ復帰段階ではなく、ハン・ウィグォン(25)もようやくチーム練習に合流したばかりだ。昨シーズン終盤にポテンシャルの高さを見せたプロ2年目のハン・ソッキ(24)に機会を与えるのも一つの案である。
開幕から苦戦が続く水原三星だが、攻撃陣の組み合わせの試行錯誤は当面続きそうだ。
前へ
次へ