どちらが5月の月間MVPに選ばれてもおかしくない。それほどの活躍を見せたのがNCダイノスの投手ク・チャンモ(23)と、LGツインズの強打者ロベルト・ラモス(25)だ。
数字だけを見ても素晴らしい。
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ク・チャンモは5月の1カ月間、防御率(0.51)、勝利数(4勝)、奪三振(38)の部門でトップに立った。5月に5回先発登板し、すべての試合で6イニング以上を消化しながらイニング数(35イニング)とクオリティ・スタート(5回、先発投手が6イニング以上を投げて3自責点以下のときにカウントされる)部門でも1位になった。
切れ味のあるファストボールとスライダー、スプリッター、カーブの4球種を駆使し、最も低い被安打率(0.105)も記録している。まさにリュ・ヒョンジン、“日本キラー”と呼ばれたキム・グァンヒョンに続く、特別な“左腕エース”となった。
ク・チャンモの活躍は、すでに予告されていた。
新人の頃から多くの野球関係者がク・チャンモの成功を予想した。NCダイノスを指揮していた野球韓国代表キム・ギョンムン監督をはじめ、LGツインズのパク・ヨンテクも「いつかはク・チャンモの時代が来る」と予想した。
キム・ギョンムン監督はク・チャンモについて、「腕の角度とスイングスピードが本当に良い。真似しようにも真似できない投球のメカニックを持っている」と説明した。キム監督は当時、ク・チャンモに10回の先発登板の機会を与え、早目にク・チャンモがNCダイノスのエースになれるように計画した。
ク・チャンモは投球時、最後の最後の瞬間まで右肩にボールを隠す。リリースの瞬間まで打者に余裕を与えない。投球前に右足を折りたたむ動作も、打者のタイミングを狂わせる。ファストボールの球速は140キロ後半だ。パク・ヨンテは去る2017年、「韓国の左腕投手でタイミングをとるのが最も困難な投手はク・チャンモだ。必ず大きく活躍する投手」と話したことがある。
昨年、負傷によって韓国代表入りを果たせなかったことは、ク・チャンモの成長動力につながったといえるかもしれない。
2019シーズンに初めて二桁勝利(10勝)と3点台の防御率(3.20)を記録し、先発ローテの柱となったク・チャンモだが、腰の疲労骨折で早目にシーズンを終えた。ポストシーズンを棒に振り、国際大会であるプレミア12の出場も叶わなかった。
コンディション管理の重要性を痛感し、昨シーズン終了と同時にトレーニングに突入。自分だけのルーティンを確立し、これまで以上に万全な状態でマウンドに立つことを約束した。
NCダイノスのイ・ドンウク監督は、「今のチャンモには特にアドバイスすることがない。自分の道を正しく突き進んでいる」と信頼感を表わした。
左打者ロベルト・ラモスは、LGツインズの外国人打者“失敗の歴史”にピリオドを打つ勢いだ。
ビッグリーグの経験はないが、誰よりも切実に韓国での成功を望み、連日のように大砲を打ち上げている。歴代LGツインズ打者で最速となる21試合・10本塁打を達成したラモスは現在、本塁打(10本)、長打率(0.831)、OPS(1.264)部門でトップに立った。打率も0.375。長打力と正確性、選球眼まで備えた結果だ。
ストライクゾーンの上部を除くすべてのボールをホームランにつなげ、誘い球にバットを出さない。「私の目標はホームランではなく、チームの勝利に貢献すること」という約束を打席でそのまま見せつけている。
ラモスの大活躍は、キム・ヒョンスやチェ・ウンソンなど打線の中心を担う選手たちはもちろん、打線全体に相乗効果を起こした。ラモスを中心にLGツインズは、さまざまなチーム打撃の指標で上位に上がった。
近年、特急エースとホームラン打者は、所属チームの跳躍を保証した。
2017年のヤン・ヒョンジョン、2018年のキム・グァンヒョン、2019年のイ・ヨンハなど大活躍を見せたエースは、所属チームをトップに押し上げた。ホームラン打者のパク・ビョンホ、キム・ジェファン、チェ・ジョン、ジェイミー・ロマックも所属チームをポストシーズンへと導いた。
ク・チャンモとロベルト・ラモスの活躍に価値がある理由も、そこにある。
現在、リーグ1位のNCダイノスと2位LGツインズが、2ゲーム差で首位争いをするなか、ク・チャンモとラモスのどちらが5月の月間MVPに選ばれるかに注目が集まっている。
5月の月間MVPは、記者団とファン投票の結果で選ばれる。
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