約2カ月ぶりに再開したドイツ・ブンデスリーガで、加入後1年が経ってようやくデビューを飾った選手がいる。
5月18日(日本時間)、韓国代表FWチ・ドンウォン(28・マインツ)は第26節ケルン戦で先発出場し、後半11分にタイオ・アウォニイ(22)と交代するまでプレーを続けた。
チ・ドンウォンは昨年5月7日にフリー移籍でマインツに加入し、3年契約を結んだ。背番号11番が与えられ、チーム合流後はプレシーズンで連続ゴールを決めるなど、新天地で成功を収めるかに見られていた。
しかし、チ・ドンウォンは昨年7月に5部リーグのチームと対戦時に左ひざを負傷。手術台に上り、リハビリを強いられた。そして今シーズン、後半戦を前にスペインでの合宿トレーニングに参加し、新天地デビューに向けた準備を着実に進めていた。
そうして迎えた1月18日のフライブルク戦でチ・ドンウォンは控えに入り、デビューのときを待ちわびていた。だが、それからの8試合、チ・ドンウォンがピッチに足を踏み入れることはなかった。
1試合のみメンバーリストから外れたのを除き、後半戦8試合中7試合は常に控えに入っていたチ・ドンウォン。それでも交代で呼ばれることは無く、ベンチから試合を見つめるだけの状況が続いていた。
そこに追い打ちをかけるかのような新型コロナによるリーグ中断で、チ・ドンウォンの新天地デビューはさらに先延ばしになる。
それでも、本人はドイツメディア『ビルト』のインタビューで「一日も早くチーム練習が正常的に行われ、5月にもリーグが再開されたら良いだろう。すべての選手がサッカーをしたがっている」と訴えるなど、サッカーへの熱意を失わずにいた。
チ・ドンウォンの思いも通じ、先日ようやくブンデスリーガが再開。その初戦でチ・ドンウォンは先発メンバーに入り、ついにマインツでのデビュー戦を果たした。
フル出場は叶わなかったものの、約1年ぶりに公式戦をプレーしたチ・ドンウォンにとって、出場できたこと自体に意味があったはずだ。
この試合でチ・ドンウォンが先発出場したことは、彼の今後のポジション争いに青信号が灯ったことを意味する。
今シーズン残りの試合では、チ・ドンウォンがピッチ上で駆け回る姿がよりみられるかもしれない。
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