韓国女子ツアーの昨年のスーパールーキー“トリオ”のなかで、唯一の無冠であったパク・ヒョンギョン(20)が、「メジャークイーン」の栄光に浴した。
【注目】KLPGAチャンピオンシップが「ビリでも賞金獲得」のワケ
パク・ヒョンギョンは5月17日、京畿道・楊州(ヤンジュ)のレイクウッドカントリークラブで行われた「第42回KLPGAチャンピオンシップ」(賞金総額30億ウォン=約3億円)の最終日、6つのバーディーを記録するなど5アンダーで回った。
首位イム・ヒジョンと3打差の2位タイで最終ラウンドをスタートさせ、終盤の逆転で初優勝を獲得した。通算17アンダー(271打)で、イム・ヒジョンや日本女子ツアーで活躍するペ・ソンウらに1打差をつけ、優勝賞金2億2000万ウォン(約2200万円)の主人公となった。
2019年、いわゆる“ミレニアムキッズ”として脚光を浴びた、スーパールーキートリオ(チョ・アヨン、イム・ヒジョン)の1人だったパク・ヒョンギョンは、同い年のライバルが計5勝をあげるなかで、一度も優勝することができなかった。
2019シーズン最後の大会だった「ADTキャップス・チャンピオンシップ」で3位に上がったのが、最高成績だった。
昨年、ルーキーのなかで最多勝(3勝)を記録し、唯一のメジャークイーン(KB金融スターチャンピオンシップ)となったイム・ヒジョンが3打差の単独首位で最終ラウンドをスタートさせたため、パク・ヒョンギョンの優勝は容易ではないように見えた。
最後の18番ホール(パー4)をパーセーブして優勝を決めたパク・ヒョンギョンは、両腕を高く上げて大粒の涙を流した。
彼女は「ずっと夢見てきた瞬間が今日実現し、アマチュア時代の優勝より感動的で幸せだ」とし、「感情を出さないようにと思ったが、(昨年の不振で)心が大変だった。トレーニングもこの瞬間だけ考えて熱心にした」と涙声で話した。
少なくない気苦労のなかで所属事務所まで変え、切歯腐心した結果として優勝を達成しただけに、感激もひとしおだった。
今回のKLPGAチャンピオンシップは、新型コロナのパンデミック(世界的大流行)宣言以降、世界で初めて行われた正規ツアーであったため、海外メディアの関心も高かった。
観客はいなかったが、多くのメディアと世界中のゴルフファンの関心というプレッシャーのなか、プロ2年目が大胆に勝ち抜いた。特に世界ランキング上位のパク・ソンヒョンやキム・セヨン、イ・ジョンウン6など、米国女子ツアーで活躍する選手たちが多数出場したなかで、韓国女子ツアーの優秀性を知らせる機会でもあった。
最終日の前半、3バーディー、1ボギーでイム・ヒジョンに2打リードされたまま後半に入ったパク・ヒョンギョンは、10番ホール(パー4)のセカンドショットがグリーンを超える危機を迎えた。チップショットまで短く、4mほど残した状況だったが、動じることなくパーセーブで乗り切った。
危機を克服したパク・ヒョンギョンは、11番ホールから13番ホールまで3連続バーディーを記録し、一気に2打差の単独首位に立った。特に12番ホール(パー3)では7mほどのロングパットを沈めて、勢いに乗った。
首位の座を明け渡したイム・ヒジョンが13番ホール(パー4)でボギーを叩くと、パク・ヒョンギョンが2打差にリードを広げた。イム・ヒジョンが15番ホール(パー4)をバーディーとし、再び追撃に出たが、パク・ヒョンギョンは最後まで冷静さを失うことなく首位を守り切った。
初優勝に輝いたパク・ヒョンギョンは、「最初の大会から思わぬ優勝が来た。狙っているタイトルは平均ストロークなので、シーズンをしっかりと過ごしていきたい」と強調した。
米国女子ツアー勢のトップは、最終ラウンドで8打を減らす猛追を見せ、通算14アンダーの4位タイとなったキム・ヒョージュ。ルーキーの最高順位は、17番ホール(パー3)でホールインワンを記録したキム・リアン(21)の通算10アンダー、9位だった。
日本女子ツアーで活躍するイ・ボミは97位タイ、アン・ソンジュは77位タイだった。
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