審判不信の時代だ。
5月5日の開幕後、1チーム当たり10試合も行っていないが、いたるところから不信の声が上がっている。審判陣が最も嫌う、“審判が主人公のゲーム”があまりにも頻繁に登場するからだ。
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問題が発生した場合、大きく目立ってしまう職業の特性を考慮したとしても、シーズン序盤から不信感が募るようではシーズンを進行していくことが難しい。
斗山ベアーズのキム・テヒョン監督の退場で触発された“誤審騒動”は、思った以上に情けないシーンだった。
5月14日に行われた斗山ベアーズ対ロッテ・ジャイアンツの試合。斗山チェ・ジュファンが無死、2塁のチャンスで相手投手パク・セウンのカーブに手を出した。ボールがワンバウンドして捕手が掴むと、審判は三振を宣告した。
すると斗山ベアーズのキム・テヒョン監督が抗議。ボールがバットに当たってワンバウンドして捕手が掴んだため、ファウルだという主張だ。中継を通じても、バットにボールが当たる音が聞こえた。
それでも判定は覆されなかった。主審を務めたオ・フンギュ審判は、なんと捕手にバウンドしたかどうかを尋ね、三振で処理した。
ロッテ・ジャイアンツのチェ・ヒョンバッテリーコーチがそのボールをもらって確認する場面では、ボールにグラウンドの土がついたシーンがそのままカメラに捉えられた。肉眼で確認しても、バウンドしたことを知ることができた。
捕手チョン・ボグンは「ミットの色が付着した」と話したが、彼のミットは黒色だ。野球選手出身の審判員が、ミットとグラウンドに触れて生じた汚れを区別できないということも話にならない。
ファウルかどうかを離れ、審判が自ら資格がないことを認めるシーンだった。野球ファンが怒りを隠せなかったのも、そのためだ。選手が自分のチームに有利な主張をしても、冷静な判断を下すことが審判の存在理由でもある。
韓国野球委員会(KBO)のビデオ判読センターも曖昧な答えを出して、怒りを買った。
このシーンを判断する際に、ビデオを使わず、ひたすらリプレイだけで見ると説明した。ビデオを考慮するような状況ではないという意味だ。
ビデオ判読センターでは、9個以上の画面を繰り返し見ることができる。野球のルールに基づき、審判が見逃した部分を詳しく見るということが、制度導入の理由だ。カメラに収められたすべての情報を総合的に判断する義務があるという意味だ。
球種がカーブだっただけに、全体の軌道、落ちる方向、バウンドした地点、投手視点ではない3塁ダッグアウト視点など、多角的に検討するのが当然だろう。ビデオ判読センターの専門性の不足も指摘される。
ビデオ判読後も抗議した斗山ベアーズのキム・テヒョン監督は、退場処分となった。
ハンファ・イーグルスのイ・ヨンギュが5月7日のヒーローインタビューで「ボール判定の一貫性」について話して以降、ストライクゾーンが過度に狭くなったという声が大きくなった。
曖昧な場合はボールの宣言をするという意味だ。
危機的状況で投球しなければならないブルペン投手が受難を経験しているのは、勝負が拮抗するほどに狭くなるストライクゾーンのためとの声が上がるほどだ。
審判委員会ではこの議論が出た後、準備不足と信頼回復を理由に、該当審判陣を2軍に降格するなど雰囲気を変えようとしたが、逆効果を生んだという意見もある。指導部の異例の強硬措置に、審判たちが顔色をうかがわなければならない状況が生じたという理由だ。
開幕から42試合しか消化していないが、すでに判定を覆す確率は32%(全50件のうち16件を覆した)に達している。10件のうち3件が誤審であるのであれば、どうやって審判を信頼するのか。
審判陣は三振コールのアクションではなく、正確な目を育てることが緊急の課題と思われる。
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