韓国プロ野球に異変⁉ “飛ばないボール”なのに長打続出…「打高投低」の理由は?

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公認球の反発係数の調整効果が1年で姿を消したのだろうか。

韓国プロ野球は開幕と同時に、各地でホームランが続出している。反発係数を減らした新しい公認球を導入し、長打が急減した2019年とは明らかに異なる現象だ。

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韓国野球委員会(KBO)事務局は、韓国プロ野球の“打高投低”を変えるために、公認球の反発係数の許容範囲を従来の0.4134~0.4374から、日本プロ野球(NPB)と同じ0.4034~0.4234に減らした。

その新しい公認球で行った2019シーズンは、ホームラン数が2018シーズンに比べて42%も急減した。しかし今シーズンは、序盤から長打が次々と生まれている。まるで2年前に戻ったかのようだ。

今シーズン、“打高投低”となっている理由

今冬、韓国の打者たちは打撃ポイントを前方に置く対処法で適応力を高めたが、その効果がすぐに表れることは期待しにくかった。だが現実に、現在は“打高投低”の流れである。

5月12日に行われたSKワイバーンズとLGツインズの試合でも、SKハン・ドンミンがツーランホームランを放つと、LGロベルト・ラモスがツーランホームランで対抗した。斗山ベアーズのキム・ジェファンも、5連勝中のロッテを相手にダメ押しのホームランを放った。

5月12日に行われたLGツインズ戦で、2回にホームランを放ったSKワイバーンズのハン・ドンミン(右)

投手出身であるキウム・ヒーローズのソン・ヒョク監督は5月12日、サムスン・ライオンズ戦を控えて「投手たちが十分に休んだので、いいスタートを切れると思っていた。(なぜ投手が長打を許しているのかを)一晩考えてみると、一度スケジュールが中断されたなかでシーズンが始まったところに原因がありそうだ」と述べた。

一般的に投手は春季キャンプまで体を作り、それから少しずつ投球数を増やしていく。実戦競技である他チームとの練習試合を通じて投球数とイニング数を増やし、開幕日に合わせて90~100%の状態に引き上げる。その後、1~2回の登板でシーズンを完全に消化できる完璧な球威に仕上げる。

しかし今シーズンは新型コロナウイルスの影響でシーズン開幕が延期され、トレーニングも中断された。ようやく5月5日に開幕したが、投手はその過程でコンディション調整に苦労したというのがソン・ヒョク監督の説明だ。

キウム監督「開幕延期の影響」

ソン・ヒョク監督は「あくまで個人的な意見だ。投手は投球して球速を上げ、シーズンに入って最高値を作る。シーズンが開始すると集中力が高まり、一度コンディションが上がれば維持される」とし、「今年はコンディションを引き上げるテンポを止めた。その期間が長かったため、再びコンディションを引き上げるタイミングが曖昧だったのではないか」と話した。

キウム・ヒーローズのソン・ヒョク監督

実際に外国人投手の場合、一歩遅れて韓国に入り、2週間の隔離を実践してからチーム練習に合流し、シーズンを準備した。

シーズン序盤の打者の勢いについてソン・ヒョク監督は、「もう少し経ってホームラン数や打球速度、飛距離などを分析し、対処法を用意しようと考えている。投手たちに、“打者はこんな準備したので、このようなボールを投げなければならない”と話すことができなければならない。プロである限り、どんな状況であっても合わせて上手くやっていくしかない」と強調した。

「データが少なくとも10試合は必要」との声も

SKワイバーンズのイ・ジンヨン打撃コーチは「打者たちは共通してタイミングを早める傾向でキャンプを通して訓練した」と述べ、SKのヨム・ギョンヨプ監督も「“打高投低”の理由は正確にはわからないが、公認球に打ち勝つ長打を作るためには、打撃ポイントを前方に引っ張るべき」と強調した。

5月12日、ロッテ・ジャイアンツを相手にダメ押しのホームランを放った斗山ベアーズのキム・ジェファン(右)

キウム・ヒーローズの戦力解析チームは、「“打高投低”のデータを分析している。飛距離が伸びたようだが、少なくとも10試合は分析してみなければならない。もっと多くのデータが必要だ」と判断を留保した。

はたしてシーズン序盤の“打高投低”は、一時的なものなのだろうか。

意味のあるデータが出てくるためには、もう少し待たなければならない。明らかなのは、今シーズンは新型コロナによって例年とは違う何かしらの影響を受けているということだ。

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