アスリートと「唾吐き」気になる野球とツバの奇妙な関係

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人間の唾液には糖たんぱく質の一種であるムチンが含まれている。

粘膜から分泌されるムチンには粘性があり、唾液を粘らせる性質がある。すなわち、多少の臭いはするものの、粘性のある唾を付けることで、ある程度のすべり止めの役割を果たすことができるのだ。

とはいえ、大半の人間は唾液を汚くて不潔なものと感じ、唾吐きを好ましく思わない。嫌悪や軽蔑を感じる対象に向かって“唾を吐きたい”と表現することもある。

しかし、科学的に見れば人間の唾液の99.5%は水分であり、残りはアミラーゼやリパーゼといった各種の消化液で、これらの成分は健康を守る必須要素だ。手のひらに唾を少し塗ったからといって、汚いと思う必要はない。

唾液には毒性除去能力もある。唾液に臭いが感じられる際は、口の中に残っていた食べ物の残りかすや細胞の角質、痰が混ざっている場合がある。

野球選手は指やバントに唾を付ける一方、グラウンドに唾を吐く行為も見られる。屋内のコートでプレーするバスケット選手やバレー選手には見られず、野球選手は特に唾を吐くことが多い。

そこには、野球というスポーツの特徴が関係している。

野球は瞬間的に反応するスポーツだ。緊張の瞬間が続く中、一瞬にして身体に力を与えなければならない。興奮や緊張によって人間の交感神経は活性化し、この際、汗や唾液の分泌も相対的に多くなる。野球選手の唾吐きにもこうした背景があるのだ。

また、試合中にグラウンドの土やほこりが口に入ってしまった際、外に吐き出すこともある。

だが、現在は特殊な状況だ。吐き出した飛沫によって、新型コロナウイルス感染症の拡散が広がる危険性があるからだ。

必要に応じて、また習慣的に唾を吐いていた選手は、今シーズンそれを飲み込む必要があるだろう。

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