1983年に発足されたKリーグは、最近になって“ローカルルール”がいくつか生まれている。
代表的な例を挙げると、U-22選手の義務出場規定、多得点の優先原則、重い懲戒の場合の個人賞候補脱落などがある。
Kリーグだけのローカルルールは新たな試みとしてサッカーファンの関心を引いたものの、すべてが成功したとは言い難い。
“重い懲戒を受けた選手やコーチングスタッフはKリーグ授賞式の候補から除外される”という規定は、昨シーズン終盤に議論を呼んだ。
去る2018年11月、韓国プロサッカー連盟は第6次理事会を通じ、シーズンの賞罰委員会によって5試合以上の出場停止または600万ウォン(日本円=約60万円)以上の罰金など、重い懲戒を受けた選手や監督は、授賞式の候補選定過程から除外することを決めた。
この決定によって、2019シーズンのKリーグ授賞式を控え、リーグ優勝争いを繰り広げていたキム・ドフン監督(蔚山現代FC)はじめ、キム・ビョンス監督(江原FC)やキム・ジョンブ前監督(慶南FC)が、重い懲戒による候補除外の初めてのケースとなった。
選手では、最多年俸者の元アルビレックス新潟キム・ジンス(27・全北現代モータース)や2部リーグ得点王のフェリペ(28・光州FC)らも、授賞式の候補から外れた。
1年間の猶予期間を設けたとはいえ、重い懲戒事案とは関係ない一律の措置に批判の声も少なくなかった。何よりも、“馴染みのないローカルルール”であることが反感を持たれた。
シーズン中の退場処分によって、個人賞の候補に選ばれなかったとある選手は率直な考えを以下のように明かした。
「自分の過ちは認める。でも、懲戒だけでなく個人賞の候補からも外すことは二重の懲罰のようで悔しい点もある。他のリーグでは見られない規定だ」
Kリーグは、2013年にU-23選手の義務出場規定を設けたが、昨年にその制限をU-22に引き下げた。この制度は、プロデビューして間もない若手が実戦を経験できる機会が少ないため、有望株の成長を助けるべく始まったものだ。
最近では韓国サッカーがあらゆる世代別国際大会で相次いで好成績を残したこともあり、KリーグのU-22選手義務出場規定が再び脚光を浴びている。
若手の成長を目的とした規定ではあるが、また違った見方も存在する。
とあるKリーグの監督は「監督懇談会やワークショップを通して、一部の監督はU-22選手義務出場規定に対する変化を提議していた。特に、外国人監督からの反感が少なくない」と明かした。
U-22選手義務出場規定の廃止や補完を主張する監督の大半は、「最高の競技力をファンに披露することが選手の義務なのに、スカッド構成に制約を設けたら100%の戦力を作り上げられない」と強調している。
Jリーグではより多様化されており、積極的な方式で有望株の成長がサポートされている。
2014年から2015年にかけて“Jリーグ・アンダー22選抜”がJ3リーグに出場したり、各クラブもU-23チームを設けたりもした。育成リーグの発足も考慮されているほどだ。
Kリーグは2016シーズンを前に、攻撃的なサッカーへと誘導するため“多得点優先原則”を採択した。勝ち点が同じである場合、順位決定方式を既存の得失点差ではなく、多得点を優先基準とするものだ。
単純に考えれば0-1だろうと0-5だろうと負けには変わりがないため、試合終盤まで各チームが得点に熱を上げるだろうという期待が大きかった。
だが、結果から述べると1部リーグを基準に多得点優先原則を始めた2016シーズンからの4年間、一試合当たりの平均得点は増加しなかった。
2016シーズンは一試合当たり2.71ゴール、2017シーズンと2018シーズンも2.7ゴールを維持。2019シーズンは逆に2.60ゴールと減少してしまった。野心を持って導入されたローカルルールが、データ上では得点力の上昇に大きく影響しないことが証明されたのだ。
もちろん、多得点優先原則によって、シーズン終盤の順位争いが盛り上がるケースもたびたびあった。とはいえ、それは得失点差の場合でもあり得る状況だったため、“多得点優先原則”というローカルルールに大きな意味を見出せなかった。
Kリーグにだけ存在するローカルルールは、リーグの目玉になり得る存在だ。
しかし、 ローカルルールは“国際的な基準に合わない韓国だけの固執”となりかねない点も、常に留意しなければならない。
現在運用されているローカルルールに対して、再度評価が必要な理由はそこにある。
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