選手の給与削減問題について、韓国プロサッカー連盟との交渉に乗り出した韓国プロサッカー選手協会。
【写真】“ITZYユナ似”や日本と対戦経験のある選手も!韓国美女サッカー選手3選
選手協会は去る2017年12月、国際サッカー選手協会(FIFPro)世界総会において正式な支部として承認され、労働組合の概念の社団法人として発足した。
FIFProとは、選手の権益を追求し、クラブや自国サッカー協会からの不当な待遇を防ぐための国際連帯機構だ。
Kリーグ所属選手も“労働組合”の必要性を感じ、2012年に設立総会を開くなど、正式団体への承認過程を準備してきた。
選手協会は発足以降、数人の選手の移籍問題などを取り扱ってきた。
そして、その存在が本格的に知られ始めたのは、2018年12月の定期総会で元ガンバ大阪のイ・グノ(35・蔚山現代FC)が新会長に就任してからだ。このとき、ヨム・ギフン(37・水原三星ブルーウィングス)や元ジュビロ磐田のパク・チュホ(33・蔚山現代FC)、元柏レイソルのユン・ソギョン(30・釜山アイパーク)らも理事としてイ・グノに合流した。
だが、韓国プロ野球の選手協会と違い、Kリーグの選手協会は最初から韓国サッカー協会(KFA)や韓国プロサッカー連盟、各クラブとのコミュニケーションが円滑なわけではなかった。
選手協会は発足初期、200人程度(前職選手含む)の会員で構成されていた。しかし、800人近いKリーグ全体登録人数の代表制を持つには、協会の規模が小さいと指摘を受けていた。
さらに大きな問題は、選手協会のレベルで加入選手の公表を嫌がったことだ。これは現在も同じ基調だ。
そこで、今回の給与削減問題について選手協会が連盟と交渉を行うのは、本当に正しいのかという声もあったという。
選手協会側は、代表性の確立に関する問いに“残念だ”という立場を明かしている。
選手協会に加盟している現役選手Aは「正直、国内のサッカー文化に閉鎖的な部分があるのではないか」と話すと、以下のように強調した。
「2年前に発足したときも、一部のクラブでは“選手協会に加入した者は手を挙げろ”と言われた。(労組の概念を持つ)選手協会への加入で不利益を被るのではと懸念してしまう選手も多い」
国際機構の保護を受ける韓国プロサッカー選手協会とは構造が違うものの、韓国プロ野球でも選手協会が発足された当時、主導した数人の選手が不敬罪にかかり、球団との軋轢が生じたケースもあった。
韓国プロサッカー選手協会のキム・フンギ事務総長もこうした事例に言及しつつ、「イ・グノ会長をはじめとする現役ベテラン選手が選手協会をけん引し、実際に多くの人数が加入した。現在の具体的な名簿は明かせないが、700人近くに及ぶ」と述べた。
今シーズンを基準とすると、Kリーグ全体の登録人数は785人だ。選手協会の見解が正しければ、90%近くの選手が加入していることになる。
彼は「多くのクラブの構造上、選手が声を挙げづらい事実がある。“言うとおりにできなければ任意脱退”と脅迫するケースもあったほどだ」と明かす。
そして「閉鎖的な文化の中で会員の公開を積極的にできないのにはこうした理由がある。だが、過去には選手の主要紛争事案に関する我々の活動を報道資料で伝えるなど、最善の努力はしてきた。他団体とのミーティングも設けてきた」と、選手協会を取り巻く現状を吐露した。
今回の給与削減問題についても「無言の圧力を受ける選手もいれば、一部のクラブから連絡も来たケースもあった」と述べると、「“まずは選手が現状を理解すべき”と考え、連盟とのコミュニケーションの場を提案した」と付け加えた。
韓国プロサッカー連盟のイ・ジョングォン広報チーム長は「選手協会は選手の権益代弁を標榜する団体だ。たとえ加入率が100%でなくても、象徴的な意味の対話はできる」とし、「両団体が合意案を出したとき、全選手に拘束力を持たせる必要はなくても、今後の基準にはなるだろう」と展望を語った。
また、「FIFProも労組のように自動加入というわけではない。今回の選手協会との交渉は(労組)団体交渉の概念として考えない。ただし、協会規模など外部に知られていない点については、今回を機に互いにコミュニケーションを取れるようになることを望む」とした。
つまり、今回の出会いは、単に給与削減の話ではなく、選手協会の存在価値と相まって来る。代表性の確立に関する混乱についても、選手協会が最近の話題を汲んで連盟と対話するきっかけを設けたのは称賛されるべきだ。
選手協会が真に選手の権益を代弁し、各団体と共存するためには、相互に信頼できる手順を踏むべきだ。そのためにも、さらに一歩踏み出し閉鎖的な環境を乗り越え、より積極的で堂々とした行動が必要という見解も挙がっている。
韓国内で注目される選手協会と連盟の対話は、はたしてどのような展開を迎えるだろうか。
Copyright @ 2018 Sportsseoul JAPAN All rights reserved.
前へ
次へ