日本国内で新型コロナウイルスの感染が拡大するなかで、来年のオリンピック開催を保証することができないという観測が出ている。
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AP通信をはじめとする複数のメディアの4月11日の報道によると、2020東京オリンピック組織委員会の武藤敏郎事務総長が「翌年7月まで新型コロナが統制されるかは誰も言えないようだ」とし、「オリンピック開催が可能かどうか明確に答えられる立場ではない」と述べた。
彼は2021年の開催以外の選択肢を尋ねた質問に、「代案を考えるよりも、あらゆる努力を傾けなければならない」とし、「人類すべての技術と知恵を集めて治療剤とワクチンを作り出さなければならない」と述べた。
加えて、オリンピックを1年延期する場合に発生すると推定される20~60億ドル(約2164億~6492億円)の費用については、「まだどのくらいの金額が必要なのか、これを誰が支給するのか知ることができない。オリンピックの延期が保険適用対象なのかも明確ではない」とし、すぐに具体的な答えを出すことはできないとの意見を述べた。
ただし武藤事務総長は、「私たちができることは、オリンピックを熱心に準備することだけ」とし、「人類が来年には新型コロナの危機を克服できることを心から願っている」と話した。
東京五輪は今年7月24日に開幕予定だったが、新型コロナの感染拡大により、去る3月24日に1年の延期が決定した。オリンピックに続いて開幕する予定だった東京パラリンピックも、来年に延期された。
だが現在の状況では、1年後のオリンピック開催も不透明だ。
他のアジア諸国やヨーロッパ、北米の国々が新型コロナと闘っていた時点でも、日本はオリンピックの正常開催を強行するために、検査をほとんどすることない姿勢で一貫していた。しかし全世界から反対の声が出ると、一歩遅れて国際オリンピック委員会(IOC)と議論し、延期を決定した。
その後、日本は本格的に新型コロナに対応し始めたが、感染者が爆発的に増加。安倍晋三首相が緊急事態を宣言した。
しかし4月11日だけでも新規感染者が743人発生し、累積感染者数は6923人に達する。それでも明確な対策が用意されておらず、日本国内では不安が広がっている。
武藤事務総長がまだ1年以上も残っている、来年のオリンピック開催に自信を持てないのも、明確な対策がないことと無関係ではない。
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