史上初のオリンピック出場を決めた7人制ラグビー韓国代表にとっては、かえって時間を稼ぐ機会になりそうだ。
オリンピック延期という予想外の出来事を、ただネガティブに捉えていないという意味である。
7人制ラグビー韓国代表は、昨年11月に自国で行った東京五輪アジア予選で香港を破り、オリンピック出場権を獲得した。
史上初の本選行きを決めた代表チームは、鎮川(チンチョン)選手村で胸を躍らせながら、オリンピックへの準備を進めていた。
そんな矢先、新型コロナウイルス感染症の影響で東京五輪の延期が確定。代表選手たちも選手村を離れ、それぞれが所属するチームへ戻っていった。
虚しさが残る状況だが、7人制ラグビー韓国代表は現状をポジティブに捉えている。
実業団が3チーム、選手数は100人にも満たない国内のラグビー事情を考慮したとき、1年間という期間を上手く活用できれば、かえって戦力をアップグレードできると考えているのだ。
今回の延期決定に、7人制ラグビー韓国代表を率いるソ・チョンオ監督は「当然の決定だと思っている。ある程度の予想をし、私と選手全員が心の準備をした」と述べ、以下のように続けた。
「ポジティブに捉えよう。1年間、我々はもっと準備できる。ラグビー韓国代表で活躍できる選手は現時点でそう多くないが、この機会に大学生が成長することに期待している」
「1年という期間は長い。スポンジのように吸収の速い選手はたくさんいる。彼らが1年後、どう変わっているかはわからない。もしかしたら、代表で活躍できる選手が数人出てきそうだ。2~3人いれば大成功だろう。し烈なポジション争いを通じて、チームの戦力がさらに上昇することに期待している」
現在の代表チームの主力には、20代後半から30代前半の選手が多い。1年の間に身体能力が衰えるのではとも危惧されている。
しかし、ソ監督の考えは違う。「我々の選手たちはコンディション管理が上手だ。1年間で大きく変化することは無いだろう。30代後半や40代ならば問題にもなるが、今の選手たちは該当しない。大きな心配はしていない。チーム力という面では逆に良いだろう」と落ち着いていた。
現在、バラバラに離れた代表選手たちは、約束されていない次回の招集を待っている段階にある。
ソ監督は「今すぐにできることは何もない。選手たちの状況をモニタリングし、チェックするのがすべてだ」と話し、現在の状況に対する心境を伝えた。
「急いで考えないようにする。できることが無いのであれば、私も選手も気楽にいた方が良いだろう。焦る必要もない。我々は新型コロナの事態が落ち着くことを願いながら、選手たちが健康であることを祈るのみだ」
悲願のオリンピックがまさかの延期となってしまった7人制ラグビー韓国代表だが、来年夏の開幕時には今よりもパワーアップした姿を披露してくれることだろう。
前へ
次へ