2020年東京五輪の1年延期に、本選への準備を進めていたU-23韓国代表が拍子抜けした。事実上の“ゼロベース”から、また新たに1年間準備をしなければならない。
とはいえ、延期によるメリットも存在する。オーバーエイジ枠の有力候補を招集できる可能性の変化だ。
現在、U-23韓国代表のオーバーエイジ枠候補にはMFクォン・チャンフン(25・フライブルク)、元鹿島DFチョン・スンヒョン(25・蔚山現代FC)、GKク・ソンユン(25・北海道コンサドーレ札幌)らが名を連ねている。彼らは、東京五輪への出場に関心を寄せているという。
3選手の共通点は、皆1994年生まれということだ。
韓国では、現役としてプロ生活をつづけながら兵役を遂行できるサッカーチームとして尚州尚武FC(国軍体育部隊)が唯一存在する。国軍体育部隊の支援資格は満27歳以下だ。今年を基準にすると1993年生まれまでが国軍体育部隊への支援が可能であり、来年は1994年生まれまでが該当する。
2018年のジャカルタ・アジア大会で金メダルを獲得したGKチョ・ヒョヌ(28・蔚山現代FC)は満27歳時に兵役免除の恩恵を受けたため、韓国内では“終電に乗れた”と評価されていた。
オーバーエイジ枠の年齢を考慮するのは韓国だけの問題だ。
オリンピックでメダルを獲得できれば、兵役免除の恩恵を受けられる。そのため、最終エントリーに名を連ねる18人の選手全員を、兵役を終えていない選手で構成することが一般的だ。目標意識を高めるための方策でもある。
国際オリンピック委員会(IOC)は、延期が決まった東京五輪の男子サッカー競技における出場資格年齢を未だ定めていない。男子サッカー競技は、オリンピックの33種目の中で唯一“23歳以下”という年齢制限が設けられている。
とはいえ、来年開催のオリンピックの出場資格年齢が23歳以下から24歳以下になったとしても、オーバーエイジ枠(23歳もしくは24歳以降の選手)はそのまま有効となるだろう。
オーバーエイジ枠は、各チームの戦力上昇に一役買う重要な存在だ。U-23韓国代表を率いるキム・ハクボム監督も、手薄なポジションにオーバーエイジ枠を積極的に活用する意思を明らかにしている。
若手で構成されるオリンピック代表に安定感をもたらすオーバーエイジ枠には、一体誰が選ばれるだろうか。
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