新聞やテレビなどのいわゆる「マスメディア」と答えた人は、9.1%と大きく減っている。
ただ前出のBTS関連のニュースを報じたのは、韓国で最も信頼されるニュース番組とも評されるJTBCの『ニュースルーム』だった。
だからこそ信じた人も多く、BTSの所属事務所も長文の公式立場を発表して「事実無根」と一蹴するだけではなく、報道内容の誤りについて細かく反論していた。
そういったフェイクニュースに触れた経験を持つと、後遺症のようなものが残るようだ。まともな報道に対しても「フェイクニュースではないかと疑う」という人が、調査対象者全体の75.9%に上った。
特に25.0%、つまり4人に1人は「常に疑う」と答えている。この結果は、フェイクニュースによって多くの人がニュース全体に対する信頼度を悪化させているということを表わしているのかもしれない。
注目はここからだ。ニュースのコメントなどでも散見されるが、フェイクニュースへの規制や処罰について、どんな意見があるかを見てみたい。
同報告書によると、まずフェイスニュースは「規制されるべき」との意見が大多数を占めた。
例えば「フェイクニュースは名誉毀損など人格権を侵害するため規制されるべき」には、「とても同意する」53.1%、「同意する」35.7%と圧倒的に賛同する人が多かった。
同じく「政治的なイシューを判断するうえで混乱を起すため規制されるべき」に対しても、「とても同意する」47.8%、「同意する」40.7%と賛成派がほとんどだった。
反対に「ニュースの内容が虚偽なのかどうか判断が難しいため規制してはならない」には「同意できない」53.4%、「まったく同意できない」28.7%との意見が多かった。
そして、フェイクニュース問題を解決するためには、処罰も必要との意見が少なくなかった。
最も多かったのは「テレビや新聞(インターネット新聞も含む)などのマスメディアがフェイクニュースを報じたときは懲戒処分を行うべき」(43.4%)で、「フェイクニュースとなる内容のコメントを作成したネットユーザーは法律で処罰」(30.6%)が続いた。
シンガポールで施行された「フェイクニュース防止法」に対して、「予想通り…シンガポール政府、“フェイクニュース防止法”を野党に相次いで適用」(『聨合ニュース』)と警戒する記事も出ているが、韓国ではフェイクニュースに対して何かしらの規制や処罰を与えるべきとの声が多い。
いずれにしても芸能ニュースをはじめ、誤った報道が少なくない昨今。今後もフェイクニュースはたびたび話題に上りそうだ。
(文=慎 武宏)