日韓関係が悪化して今だに解決の糸口が見えない昨今だが、気になるのは韓国で巻き起こった“日本不買運動”の今ではないだろうか。
そもそも日本製品を購入しないという韓国の日本不買運動は、今年7月から始まった。
日本政府が韓国をホワイト国(輸出優遇国)から除外すると発表したときから始まったわけだが、そ日本政府がその判断を下した背景には、韓国最高裁の元徴用工賠償判決があったと見られており、韓国では「日本の経済報復」との世論が広まった。
韓国では過去にも日韓の政治的な葛藤があった際、局所的な日本不買運動はあった。が、今回は規模がまったく違った。
2019年(1月1日~11月15日)、韓国において最もツイッターで言及された社会部門のワード第2位に「不買運動」が入っていることからも、どれほど盛り上がりを見せたかが伝わってくるはずだ。『中央日報』は「不買運動・最低賃金が“82年生まれ、キム・ジヨン”よりもツイートされた」と見出しを打って報じていた。
不買運動が始まると、日本と関連したブランドや企業は売上に打撃を受け、日本旅行をボイコットする人が急増。韓国では日本不買運動に参加する人々が徐々に増加し、不買の対象は業界全体に広がっていった。その影響が“流れ弾”となって、韓国企業に及んでいるほどだ。
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そんな日本不買運動は、今どのような状況なのだろうか。まずは数字的な部分で考えてみたい。
11月28日に世論調査機関「リアルメーター」が発表した調査結果によると、日本不買運動に「参加している」との回答が72.2%に上った。
「日本製品不買運動の実態調査結果で初めて70%を超えた」(『ファイナンシャルニュース』)と分析されているように、不買運動に参加する人は現在進行形で増えているのだ。実際に9月の同調査では、「参加している」は65.7%だった。
年代別に見ると、さらに日本不買運動の実態が見えてくるかもしれない。「参加している」との回答が最も多かったのは20代(81.1%)で、次に40代(79.7%)と30代(75.2%)が続き、50代(65.8%)と60代以上(64.0%)の順だった。
韓国の若い世代、特に10人中8人が参加している20代が日本不買運動をリードしているわけだ。
12月9日に発表された韓国農村経済研究院の「日本製品不買運動と食品消費」特別調査結果も参考になる。
同調査の結果によると、韓国人の81.5%が日本不買運動に賛成しているのだが、その理由としては「日本の輸出規制政策が不当だから」(34.3%)、「日本の右翼人士、メディアの嫌韓発言」(28.8%)、「日本政府が過去の歴史に対して責任感のある姿を見せないから」(26.7%)などが上位だった。
反対はわずか5.8%だ。
では、彼らが実際に不買している日本の商品とは何か。