“日本不買運動”は今どんな状況なのか…韓国の各種世論調査で分析してみた

2019年12月16日 社会 #日本不買運動
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最も多かったのは「食品」(83.9%)だった。振り返れば、食品医薬品安全処のホームページを通じて、日本産の原料を使用している食品企業を見つけ、その製品をリストアップして買わないように促す動きなどがあった。

その影響を受けて、韓国の食品業界は日本で生産された“完成品”の輸入をほとんど中断した。

次に多かったのは「衣類」(58.7%)。日本不買運動の主な対象としてターゲットになっていたのは、ユニクロだった。

与党・共に民主党のパク・クァンオン議員が公開した資料によれば、10月のユニクロの8社のクレジットカード決済金額は196億ウォン(約19億6000万円)台で、前年(590億ウォン台)比66%減と急落した。また「11月の売上も前年(11月20日基準)より63.5%減少した」(『デイリーアン』)とされている。

「日本旅行」(34.2%)も不買運動の対象だった。もともと日本は韓国でも人気の海外旅行先で、「ロイヒつぼ膏」など日本商品がバカ売れするなどしてきたが、今年下半期から訪日する韓国人観光客は大幅に減った。

日本政府観光局の月別推計値を見ると、7月56万1700人(前年7月60万7953人)、8月30万8700人(前年8月59万3941人)、9月20万1200人(前年9月47万9733人)、10月19万7300人(前年10月57万1176人)と、8月以降は文字通りの“半減”だ。

現在も回復の兆しは見えておらず、12月11日に公開された韓国文化観光研究院の調査結果によると、「今後日本との関係が回復したら日本に旅行する意向はあるか」との問いに、「ある」が36.1%。「ない」が35.4%と拮抗している。

「1~3年」も続いてしまうのか

不買運動は現在進行形ということがわかるが、この状況はいつまで続くのだろうか。

「日本製品不買運動と食品消費」特別調査結果を見ると、回答者の49.2%が「輸出規制問題が解決するまで」不買運動を続けると答えている。ただ26.6%は「輸出規制問題が解決しても続ける」と答えており、当分はおさまる見通しは立っていない。

いつまで続くと思うかという期間を聞いた質問でも、「1~3年は続く」(34.4%)という回答が最も多く、「3年以上」と答えた人も25.9%に上った。

今年7月から始まり、現在も参加者が増えている韓国の日本不買運動。今のところ終りが見えないというのが冷静な分析なのだろう。

(著者撮影)韓国には日本の外食チェーンも数多く営業している

ただ、実際に韓国に行ってみると日本不買運動が活発に行われているというような印象を感じないのも事実なのだ。

夏場から秋にかけては光化門などを歩くと「NO JAPAN」のロゴがいやでも飛び込んできたが、今回は見かけることもあまりない。記者仲間や知人・友人に日本不買運動のことを聞いても、さほど意識していないようでもあった。

それでも前述した通り、各種の関係各所で実施した調査ではいまだに「日本不買運動」が継続中・増加中だとするならば、それはそれで深刻に受け止める必要があるだろう。

日本製品を販売する韓国企業や韓国の旅行会社も大きな打撃を受けているだけに、解決の糸口が見つかればいいのだが…。

(文=慎 武宏)

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