韓国を代表する旅行会社ハナツアーやモドゥツアーの第3四半期の業績が、日本旅行のボイコット運動の直撃を受けて、市場展望でも赤字を記録した。
このまま行けば、来年の営業利益回復も容易ではなさそうだというのが、証券界の共通した見方だ。
ただモドゥツアーの場合、安定的な顧客ポートフォリオ、子会社の赤字規模の縮小などで、ハナツアーに比べるとやや肯定的な成績を出すものと見られている。
11月4日、関連業界によるとモドゥツアーは予約率改善、豊富な現金基盤による配当拡大の余力などで来年の第2四半期から徐々に業績の改善効果を出すものと予想される。
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一方のハナツアーは別途の営業利益が増えるが、昨年のように200億ウォン(約20億円)台の回復は難しいという分析だ。
メリッツ総合金融証券はモドゥツアーに対し、「子会社の赤字規模が大きくないため本社支援が必要ではなく、パッケージツアーの本業でも投資が求められず、配当拡大余力が高い」という分析を出した。
昨年、モドゥツアー配当収益率は1.5%で、今年は1.0%、来年は2.4%を展望した。ハナツアーの場合、昨年は1.9%、今年は1.3%、来年は1.5%を予想した。
新韓金融投資は「日本に代わる冬シーズンの代替旅行地である東南アジア、中国への予約や日本路線の追加下落など、制限的な状況を総合すれば、予約率はこれ以上大きく下落せず、徐々に持ち直すだろう」と予想した。
新韓金融投資研究院のソン・ジュンウォン氏は「株価は旅行予約率にも関係するため、予約率が追加的に下落することがなければ、徐々に上がる可能性が高い」とし、現在の目標株価である1万8000ウォンを維持した。
3四半期のモドゥツアーの売上高は、昨年同期間比で17%減少した693億ウォン(約69億3000万円)、営業損失は22億ウォン(約2億2000万円)で前年比で赤字転換した。
ハナツアーも売上額は1832億ウォン(約183億2000)万円)と昨年同期より12.1%減、営業損失は28億ウォン(約2億8000万円)で赤字転換した。ハナツアーは日本路線の急減で、日本の割合が大きく、別途の部門でも約20億ウォン(約2億円)の営業赤字を記録した。
ハナツアーやモドゥツアーは年初の株価に比べて収益率はそれぞれ29.8%、32.8%減少した状態だ。
ハナツアーの第3四半期の国内全体出国者は、2012年以降初めて四半期のマイナス成長を見せた。これは反日感情で日本への出国者が前年同期比36%下落したためだが、ハナツアーは日本の割合が(人数基準30~40%)非常に高いため、打撃が大きかった。
新韓金融投資は現在、日本パッケージ旅行の予約率はマイナス90%とマイナス成長の流れを示しており、これ以上下がるところもなく、日本向け売上の割合は先月基準で1.4%にしかならない状況だと説明した。
メリッツ総合金融証券のイ・ヒョジン研究員は「来年のハナツアーの日本での営業環境の改善は限定的だろう」とし、「旅行需要の伸びが大きくてもパッケージ旅行分が大きい可能性は低く、制限的な回復は見込める」と述べた。
さらに、「モハジ(Mohaji:現地ツアーアプリケーション)、情報技術ITプラットフォーム開発など追加投資が必要な状況であり、事業構造の変化なしには有意義な反騰は期待できない」と分析した。
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