韓国の生産年齢人口(15~64歳)が少子高齢化によって、50年後には現在の半分以下にまで減少するという同国政府の見通しが出た。50年後には、労働者1人が高齢者数人を扶養しなければならない時代が来る。
このような“人口絶壁”の加速は、雇用と生産、消費、投資など経済全般に悪影響を及ぼし、経済成長の足を引っ張るという懸念が高まっている。
韓国統計庁は3月28日、「将来人口特別推計:2017~2067年」を発表した。
韓国統計庁は5年ごとに将来の人口推計を発表してきたが、超少子化の現状を踏まえて2016年に続き、3年ぶりに特別推計を行った。推計によると、韓国の生産年齢人口は2017年の3757万人から、2030年3395万人に減少し、2067年には1784万人に急減するという。2067年には2017年の47.5%ほどになるという見通しだ。
韓国統計庁は今回の推計から、15~64歳の人口を意味する「生産可能人口」を「生産年齢人口」に変更した。“ベビーブーム世代”(1955~1963年生まれ)が高齢者人口に加わる2020年代には、生産年齢人口が年平均33万人減少し、2030年代には年平均52万人も減少すると予想した。これは“人口絶壁”が2020年代から本格化するという意味だ。
“人口絶壁”は、アメリカの経済学者ハリー・S・デント・ジュニアが提示した概念で、生産年齢人口の割合が急速に減少する現象を意味する。
韓国統計庁キム・ジン人口動向課長は「2030年代の減少幅が大きい理由は、1970年代生まれの第2次ベビーブーム世代が生産年齢人口から除外されることと当時に、出生児数が過去よりも少なくなるからだ」と分析した。
統計庁は生産年齢人口のうち、主な経済活動人口の25~49歳の割合は、2017年51.9%(1950万人)から2067年46.1%(823万人)まで低下すると見た。一方、同期間50~64歳の割合は、30.8%(1156万人)から39.4%(703万人)まで増加すると予想した。これらの推計は、中間水準の出生率に応じて展望した推計だ。出生率を低く想定した推計を見ると、2067年の生産年齢人口は1484万人で、2017年の39.5%にまで減少すると予想されている。
統計庁は、高齢者人口が2017年707万人から、2025年に初めて1000万人を超え、2050年には1901万人まで増加すると予想した。総人口に占める高齢者人口の割合は、2017年13.8%から2025年20%、2036年30%、2051年40%をそれぞれ超えると予想した。85歳以上の超高齢者人口は、2017年60万人から2024年に100万人を超え、2067年には512万人を記録すると予想された。
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一方、若い世代の人口は減少する。