「お酒は良くて、コーヒーは駄目なのか」
韓国のカフェ事業主たちが、韓国政府を相手にする民事訴訟に乗り出した。新型コロナウイルスに対する韓国政府の防疫措置が公平性に欠け、店内での飲食が禁止される高強度の営業制限によって甚大な損害が生じているという主張だ。
韓国の全国カフェ社長連合会は1月14日、ソウル中央地裁の前で記者会見を開き、韓国政府を相手に約18億ウォン(約1億8000万円)を請求する訴訟を提起した。連合会によると、今回の1次訴訟は358人が参加し、1人当たりの500万ウォン(約50万円)を請求するという。
全国カフェ社長連合会は、韓国政府が実施しているカフェ店内での飲食制限措置が不合理で公平性にも反すると主張している。
韓国では現在、レストランはもちろん、カフェと似たようなメニューを販売するブランチカフェ(食事ができるカフェ)でも、食事などの食べ物を販売するという理由から店内での飲食が可能だ。しかし一般的なカフェは持ち帰り、配達のみが許されている。
一般的なカフェは店頭販売の割合が高いだけに、現在まで集合禁止レベルのダメージを受けているというのが、連合会の説明だ。
連合会は「一貫性と公平性のない防疫規制によって、訴訟にまで発展することとなった。同じ飲食なのに、根拠やデータもなく、ホール営業が禁止されたカフェの社長たちは絶叫するしかなく、従業員の生存権が脅かされる姿を見て耐えることができなかった」と声を高めた。
彼らは「ホール営業を中心としていた店舗は売り上げの70~90%が急減し、毎月の家賃を支払うこともできないまま耐えてきた。今、私たちに必要なのは災害支援金ではなく、災害補償金だ」と主張した。
コ・チャンス連合会長は「今回の訴訟団の募集を締め切った後も、100人余りの方が訴訟に参加する意向を明らかにしてきた」とし、追加訴訟まで予告した。
訴訟を代理した法務法人ウイル側は、「訴訟を起こした後、政府の方針の変化や補償議論などを見ながら、立法不作為(憲法上国家が法律を制定すべきところをその義務を怠り、そのために国民に損害を与えること)憲法訴願を提起するかどうかを決める予定だ」と語った。
全国カフェ社長連合会は、韓国政府によるホール営業制限措置によって莫大な被害を受けているとオン・オフラインを通じたデモを進めてきた。
連合会は前日、ソウル汝矣島(ヨウィド)の共に民主党本部の前でも記者会見を開き、「レストランや居酒屋は21時までホールの営業が可能なのに、カフェのみ禁止させるのは公平性に欠ける。カフェを新型コロナの原因と判断するな」と強調した。
また「カフェでは主に自分のメニューだけ食べるので、飲食時に飛沫が混合しやすいレストランや居酒屋より安全だ。韓国政府の差別的な政策で被害を受けている」と主張した。さらに「韓国政府は、レストランは食事、コーヒーは嗜好品という理由でホール営業を制限しているが、私たちにとってコーヒーは生存そのものだ。トーストは良くてサンドイッチは駄目といったガイドラインではなく、納得できる代替案を出すべき」と訴えた。
前へ
次へ