生後16カ月の養子チョンインちゃん(仮名)を虐待して死亡させた容疑を受ける養母チャン氏に、韓国検察が殺人容疑を適用した。
しかしチャン氏は弁護人を通じて「故意ではなかった」と容疑を否認した。
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1月13日、ソウル南部地裁・刑事13部(シン・ヒョクチェ部長判事)によると、検察はチャン氏と夫アン氏の第1回公判で、チャン氏の公訴状の変更を申請した。
チャン氏の公訴状は当初、児童虐待犯罪の処罰などに関する特例法違反(児童虐待致死)の容疑となっていた。しかし検察は、殺人を主位的公訴事実とし、従来の児童虐待致死は予備的公訴事実に回す公訴状変更申請を裁判所に提出した。
検察は「変更された公訴事実の要旨は、被告人が持続的に虐待に遭った被害者の腹部に強い鈍力(殴るなどしたときの衝撃)を行使した場合、死に至ることを知っていながらも、足で被害者の腹部を強く踏むなど鈍力を加えたため」と説明した。
先立って12月にチャン氏を起訴した検察は、児童虐待致死と児童遺棄・放任などの容疑を適用したが、殺人は公訴状に書かれていなかった。殺人罪を適用するためには、被害者を殺害するという明確な意図と、死に至るほどの威力を加えたという事実を立証しなければならない。しかし当時の検察は疎明が不足していると判断し、殺人を公訴状に記さなかった。
検察は「起訴後、法医学者などとの検討を経て、殺人を主位的公訴事実に決めた。死因を鑑定した剖検医と法医学教授の意見などの資料を追加で提出する」と述べた。
一方、チャン氏の弁護人は「故意に被害者を死亡させたわけではない」と、殺人と虐待致死の容疑を否認した。
チャン氏側は「被害者がご飯を食べないことに怒り、横たわっている被害者のお腹などを手で押すように叩き、子供の両手を掴んで揺らし、胸部手術の後遺症で落とした事実はある」としながらも、「臓器が損なわれるほど強い鈍力を行使したことはないとした」と主張した。
またチャン氏側は、左鎖骨骨折と右側肋骨骨折などに関する一部の虐待を認めたが、後頭部と右側坐骨損傷に関する虐待は覚えていないと否定した。
被告人側が容疑を否認し、裁判は証人尋問の手続きに突入した。検察側は、チョンインちゃんの死因を鑑定した法医学者と、死亡当日に「どしん」という音を聞いた隣人など、17人の証人を申請した。
チャン氏側の弁護人は裁判後、「チャン氏が被害者を足で踏んだという公訴事実を否認する。チャン氏が子供を落としたことで、子供が椅子にぶつかった」とし、「児童虐待致死罪はもちろん、殺人容疑を認めることはできない」と述べた。
続いて「養父母は子供に申し訳ないという気持ちを何度も話したし、裁判所に反省文も提出した」と付け加えた。
韓国社会を震撼させている“チョンインちゃん事件”。養母チャン氏と養父アン氏の次の裁判は、2月17日に開かれる。
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