世界最大の児童ポルノサイト『ウェルカム・トゥ・ビデオ』の運営者ソン・ジョンウ(24)と関連して、韓国で批判が殺到している。
ソン・ジョンウは2015年7月から2018年3月まで、乳幼児や4~5歳の児童が性的暴行される動画を上げるポルノサイトを運営してきた。特殊なブラウザでのみ接続できるダークウェブ上で動画共有サイトを運営し、有料会員4000人余りから数億ウォン(数千万円)の仮想通貨を受け取り、児童わいせつ物20万件余りを提供した容疑などで起訴された。
ソン・ジョンウは懲役1年6カ月を宣告され、すでに刑期を終えた。韓国内では追加で、資金洗浄など犯罪収益の隠匿に関する捜査が進行中だ。
米ワイントンDC連邦大陪審はソン・ジョンウを児童ポルノ配布と広告、国際資金洗浄など9つの容疑で起訴し、犯罪人引渡し条約に従って送還するよう要請した。
両国で処罰の対象と状況だが、韓国の裁判所は7月6日、『ウェルカム・トゥ・ビデオ』関連の捜査がまだ韓国内で進行中であるため、ソン・ジョンウがアメリカに送還されると捜査に支障をきたす可能性があると判断し、検察が請求した犯罪人引渡しを許可しなかった。
それに対してアメリカ法務省は7月7日(現地時間)、「私たちはアメリカ市民に大きな影響を与え、世界中で最も危険な児童ポルノ犯罪者の1人に対する引き渡し拒否に失望した」と明かした。
韓国に比べて相対的に重い量刑が予想されるアメリカへの送還が不許可となると、韓国大統領府に設置された国民請願掲示板には7月6日、「ソウル高裁カン・ヨンス主席部長判事の最高裁大法官候補資格の剥奪を請願する」というタイトルの請願文が投稿された。ソン・ジョンウのアメリカ送還を許可しなかった判事のことだ。
同請願には7月8日12時現在、41万3000人以上が同意した。
請願人は「世界のあらゆる国の児童性搾取をあおり、それで金儲けをした者(ソン・ジョンウ)がわずか1年6カ月の刑で社会に放たれるが、それについて堂々と“韓国内の捜査と裁判を通じて解決が可能だ”と主張するのは、判事本人が児童ではなく、性搾取をされない既得権益層のなかの既得権益層だからこその傲慢な発言だ」と非難した。
カン・ヨンス部長判事は、9月に退任するクォン・スンイル大法官の後継者候補30人に含まれている。
いずれにしても悪質な犯罪に走りながらも1年6カ月で刑期を終えたソン・ジョンウに対して、韓国国民の怒りは収まりそうにない。
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