公共機関でのマスク着用が義務化された韓国で、とある40代女性がマスクをつけてくれという乗客の要求に不満を持ち、騒動を起こして地下鉄の運行を遅延させた。彼女は業務妨害の容疑を受けたが、警察が申請した拘束令状は6月25日、裁判所で棄却された。
ソウル南部地裁のソン・ボギ令状専担部長判事は、拘束前被疑者尋問(令状実質審査)を開いて「拘束の必要性が認められない」と40代女性A氏の拘束令状を棄却した。
ソン部長判事は「A氏が今後、マスクの着用を約束しており、健康上の理由からマスクを着用しなかったと陳述している」と、拘束令状棄却の理由を明らかにした。
A氏は去る6月23日11時50分頃、地下鉄1号線の梧柳洞(オリュドン)駅近くで、地下鉄に乗った他の乗客から「マスクをつけてほしい」という要求を受けた。
すると彼女は「一体なぜマスクをしなければならないのか」と手に持っていたマスクを叩きつけ、「なぜ言いがかりをつけるのか」と乗客に暴言を吐きながら騒動を起こし、約7分間、地下鉄の運行を遅延させた疑いを受けている。
A氏は駆け付けた駅員に降車を要求されると、「運賃を返せ」などと叫びながら暴れ、警察に逮捕された。
警察は「公共交通機関におけるマスク着用義務は国民の健康問題と直結した問題であり、A氏の騒動で列車が7分間も停止するなど、事案が軽くない」とし、6月24日に拘束令状を申請した。
同日10時頃、令状審査を受けるために裁判所に出頭したA氏は、「なぜそのような行動をしたのか。後悔はないか」という取材陣の質問に、「乗客3人が駆けつけて私を苦しめた。もしコロナにかかったらと後悔している」と述べた。
A氏は高血圧のためにマスクを着用しなかったと主張している。
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