日産が韓国市場から撤退したことに続き、ホンダ・コリアも“韓国撤退説”が浮上しているが、トヨタは韓国市場を去る計画がまったくないという。むしろ今年も多数の新車を発売し、失われたシェアを確保する計画だ。
【注目】日産が韓国から撤退…「コロナ+日本不買運動」の影響か
韓国日産が韓国市場からの撤退を発表すると、「来るべきことが来た」という反応が多かった。2019年7月に日本製品の“不買運動”が始まり、日本車の販売台数が大幅に減少したからだ。
しかも新型コロナの影響で販売台数はさらに減り、日本車の韓国における立場は苦しくなった。ついに日産は韓国から撤退し、日産とインフィニティ車の在庫を安値で販売した。
そんななかホンダ・コリアも韓国撤退説に包まれた。ホンダ・コリアの販売台数も月500台を下回り、去る6月9日、19年間ホンダ・コリアの代表を務めたチョン・ウヨン会長が退任したからだ。一時、ホンダを韓国における輸入車第1位に押し上げたCEOの退任が偶然にも最も販売台数が低調で営業損失を見ている時期に行われたため、ホンダ・コリアの韓国撤退説にも説得力をもたらした。
ホンダ・コリアは韓国市場からの撤退計画はないと念を押したが、減少の一途をたどる販売台数を増やせなければ、何度も同じ疑惑が浮上する可能性が高い。
日本車が韓国市場で前例のない危機を迎えているが、トヨタだけは例外だ。
トヨタ・コリアは1月に正統スポーツカーであるGRスープラを韓国で発売したことに続き、2月にはカムリのスポーツエディションXSEモデルを200台限定で販売した。また3月にはハイブリッド車のプリウスの4輪駆動モデルと、プリウスシリーズの“末っ子モデル”であるプリウスCクロスオーバーを発表した。
トヨタの高級ブランドであるレクサスのマーケティングも活発だ。レクサス・コリアは去る2月、2016年以来4年ぶりに部分変更した「NEW RX」を披露し、ラグジュアリーSUV市場を本格的に攻略し始めた。また、ますます大きくなる中小型SUV市場に対応するため、レクサス初の中小型SUVである「UX 250h」も韓国で発売した。
それだけでなくレクサス・コリアは、トヨタファイナンシャルサービス・コリアと法人向けリースプログラムである「レクサス・オートケア・リース」を披露し、トヨタ・コリアはさらに改良された顧客サービスの提供のためにトヨタ瑞草(ソチョ)展示場を瑞草駅近くに拡張移転した。
日本不買運動と新型コロナによって販売台数が大幅に減ったものの、トヨタ・コリアはサービスを展開して着実に新車を発売し、販売台数の回復に努めている。
電気自動車やハイブリッド車などエコカーの需要が高まっていることも、トヨタとレクサスに有利に作用している。トヨタはプリウスの高い人気とともに、トヨタのラブ4(RAV4)、レクサスのRX450hなどのハイブリッドSUVを韓国市場に投入し、有意な販売量を誇っている。
当面は例年より販売台数は少なくなるだろうが、これまでトヨタとレクサスが韓国で高い人気を誇り、忠誠心の高い顧客も多数保有しているだけに、トヨタ・コリア側は時間が経過すれば販売台数が少しずつ回復すると見通している。
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