映画『パラサイト 半地下の家族』のポン・ジュノ監督が凱旋帰国した。
ポン・ジュノ監督は2月16日午後、仁川(インチョン)国際空港を通じて帰国した。
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駆けつけたファンの拍手と歓声に手を振って応えたポン・ジュノ監督は、「寒い日なのに多くの人が出迎えてくれて感謝している」とし、「昨年5月のカンヌから複数回、手間をかけてしまい、申し訳ない気持ちだ」と話し始めた。
「アメリカで長い日程を過ごしたが、さっぱりと終えて気分がいい。静かに本業である創作に戻ることができるので、嬉しい気持ちだ」としたポン・ジュノ監督は、「拍手をもらったことにとても感謝しているが、むしろコロナウイルスを見事に克服している国民に拍手を送りたい気持ちだ」と、声援に感謝を伝えた。
続いて「私も一生懸命に手を洗ってコロナ克服の仲間入りをしたい」と、気の利いた言葉を話した。
ポン・ジュノ監督は「2月19日に私だけでなく俳優の方々、スタッフの方々と一緒に記者会見の席が設けられている。そのとき、詳しく話を伝えたい」として現場を去った。
2019年5月に第72回カンヌ国際映画祭でパルムドールを受賞し、ソン・ガンホと帰国してから約9カ月ぶりに再び韓国に戻ったポン・ジュノ監督は、多くの歓迎を受ける凱旋帰国となった。
ポン・ジュノ監督を一目見ようと、仁川国際空港の入国ゲートには多くの取材陣とファンが集まった。
ポン・ジュノ監督を除いた『パラサイト』チームの俳優ソン・ガンホ、イ・ソンギュン、チョ・ヨジョン、チェ・ウシク、パク・ソダム、イ・ジョンウン、チャン・ヘジン、パク・ミョンフン、制作会社Barunson E&Aのクァク・シネ代表らは、先に帰国した。
ポン・ジュノ監督はアメリカに残り、現地日程をすべて終えて帰ってきた。
ポン・ジュノ監督と『パラサイト』チームは、韓国を越えて全世界の映画史に残る新たな記録を達成した。
去る2月10日(日本時間)、米ハリウッドのドルビー・シアターで行われた第92回アカデミー賞授賞式で、最高賞といえる作品賞をはじめ、監督賞、脚本賞、国際長編映画賞の4冠の快挙を成し遂げた。
特に韓国映画としては初のアカデミー賞受賞であり、アカデミー賞の歴史のなかでも、非英語圏の映画が作品賞を受賞した初の事例となった。さらに『パラサイト』はカンヌ国際映画祭でもグランプリに該当するパルムドールを受賞しており、世界を代表する映画祭といえるカーンとアカデミーから認められることとなった。
この快挙によって韓国内では現在、“ポン・ジュノシンドローム”が起きており、いくつかの国では『パラサイト』の再上映が決定されるなど、世界中の注目を集めている。
ポン・ジュノ監督の帰国で、全員が戻ってきた『パラサイト』チームの韓国スケジュールが開始される。
来る2月19日午前には記者会見が行われ、取材陣と会う。ポン・ジュノ監督をはじめ、ソン・ガンホ、イ・ソンギュン、チョ・ヨジョンなど俳優たちと、Barunson E&Aのクァク・シネ代表、ハン・ジンウォン作家、イ・ハジュン美術監督、ヤン・ジンモ編集監督などが参加する。
その場で彼らはアカデミー賞の感想や、豊富なビハインドストーリーを伝える予定だ。
続いてポン・ジュノ監督は2月20日に、韓国大統領府の招待を受けて文在寅(ムン・ジェイン)大統領と対面する。文大統領はポン・ジュノ監督と会い、アカデミー賞4冠と関連してお祝いを伝える予定だ。
先立って文大統領はSNSを通じて、「ポン・ジュノ監督と俳優、スタッフの皆さんは誇りだ。困難を一緒に乗り越えている国民に誇りと勇気を与えてくれ、特に感謝する」とメッセージを伝えたことがある。
放送関係者も“ポン・ジュノ祭り”に総力戦を繰り広げている。
ポン・ジュノ監督はアカデミー賞授賞式で、マーティン・スコセッシ監督に向けた献辞として「テキサスチェーンソーでトロフィーを分けてしまいたい」と話すなど、ウィットとセンスを兼ね備えたコメントで有名だ。それだけに各放送局はポン・ジュノ監督に出演交渉をしようと動き始めている。
ポン・ジュノ監督だけでなく、『パラサイト』のスタッフ、話題の通訳者シャロン・チェ(チェ・ソンジェ)にまで、国内外からのインタビュー要請が殺到している。
それでも押し寄せる取材依頼やスケジュールのため、まずは『パラサイト』を代表して制作会社のクァク・シネ代表が前面に出る。クァク・シネ代表は韓国取材陣とインタビューを行う。『パラサイト』とアカデミー賞の鮮やかな物語を伝える見通しだ。
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