映画『パラサイト 半地下の家族』でアカデミー賞4冠を達成し、世界を驚かせたポン・ジュノ監督。
そんなポン・ジュノ監督を誰よりも祝っているのが、同作で主人公・ギテクを演じた俳優ソン・ガンホではないだろうか。
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というのも、ポン・ジュノ監督の全7作品中4作品で主演を務め、彼の“ペルソナ”と呼ばれるほど因縁深いのだ。
1991年に演劇団員として役者を始めたソン・ガンホは、ホン・サンス監督の映画『豚が井戸に落ちた日』(1997年日本公開)を通じて忠武路(チュンムロ/米ハリウッドのような映画の街)に足を踏み入れた。
その後、『ナンバー・スリー』(1997年作)、『シュリ』(2000年日本公開)などの助演を経て、キム・ジウン監督のコメディ映画『反則王』(1999年作)で映画初主演を務める。
2001年に日本でも公開されたパク・チャヌク監督の『JSA』では女優イ・ヨンエ、俳優イ・ビョンホンと共演。ベルリン国際映画祭のレッドカーペットを歩いた。
そして2003年、初めてポン・ジュノ監督とタッグを組んだ『殺人の追憶』(2004年日本公開)が大ヒットを記録し、一躍“国民的俳優”となる。
自分が無名だった頃、オーディションの落選結果を丁寧に知らせてくれたポン・ジュノ監督(当時は助監督)の人柄に強い印象を受けていたソン・ガンホは、ポン・ジュノ監督から『殺人の追憶』のオファーを受けたとき、「5年前からあなたの映画に出演するのを心に決めていた」と、二つ返事で引き受けたそうだ。
その後、『グエムル-漢江の怪物-』(2006年日本公開)でポン・ジュノ監督と再びタッグを組み、“演技派俳優”としての地位を確立した。
第60回カンヌ国際映画祭コンペティション部門出品された『シークレット・サンシャイン』(2008年日本公開)、パク・チャヌク監督の『渇き』(2010年日本公開)、『弁護人』(2013年作)と着々とキャリアを築き、ポン・ジュノ監督と3度目のタッグを組んだ『スノーピアサー』(2013年)でハリウッドに本格進出。
それから『王の運命-歴史を変えた八日間-』(2015年作)、『密偵』(2016年作)、『タクシー運転手 約束は海を越えて』(2018年日本公開)、『麻薬王』(2018年作)など、数多くの映画で様々なキャラクターを熱演し、韓国を代表する“大物俳優”となった。
今回の『パラサイト』では、全米映画俳優組合が主催する「SAGアワード」の最高賞・キャスト賞、「ロサンゼルス映画批評家協会賞」の男優助演賞などに輝いたソン・ガンホ。
有名なハリウッド俳優たちからも尊敬の眼差しを浴びるようになった、ソン・ガンホの今後の活躍に注目が集まる。
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