韓国映画『パラサイト 半地下の家族』(ポン・ジュノ監督)が、世界の中心に立った。
『パラサイト』は2月10日(日本時間)、米ハリウッドのドルビー・シアターで開催された第92回アカデミー賞授賞式で、最高賞といえる作品賞を受賞した。『パラサイト』は脚本賞、監督賞、国際長編映画賞に続いて作品賞を受賞し、4冠に輝いた。
ポン・ジュノ監督は「子供の頃、個人的なものこそ創造的なものだということを本で読んだが、ここにおられるマーティン・スコセッシ監督の言葉だ」とし、「マーティンの映画を見て勉強した人間だ。同じ候補に挙がっただけでも光栄なのに、賞までもらえるとはまったく思わなかった」と述べた。
マーティン・スコセッシ監督も微笑む表情を見せた。
さらにポン監督は「すべての芸術家たちに賛辞を送る。私のビジョンを実現できるようにしてくれたすべての方々に感謝する」とし、「今夜は酔っ払う準備ができた」と冗談を交えた感想を英語で付け加えた。
『パラサイト』は韓国映画として初めてアカデミー賞のトロフィーを獲得しただけでなく、アカデミー賞の歴史のなかで、初めて外国語映画が作品賞を受賞するという快挙を成し遂げた。
今回のアカデミー賞授賞式は『パラサイト』の作品賞受賞だけでなく、さまざまな場面を通じて変化を見せた。
これまでアカデミー賞は、“白人の宴”という批判を受けてきた。2017年に黒人少年の成長期を描いた映画『ムーンライト』が作品賞を受賞して変化も見せたが、それでもまだ足りなかった。
それでも今年は、さらに変化した姿を見せた。オープニング公演は、黒人女性歌手のジャネール・モネイが担った。
また祝賀公演中、歌曲賞にノミネートされた映画『アナと雪の女王2』の曲『Into the Unknown』を歌う舞台には、原曲歌手イディナ・メンゼルとともに、デンマーク、ドイツ、日本、アメリカ、ノルウェー、ポーランド、ロシア、スペイン、タイなど10カ国の「エルザ」が登場し、現地言語で歌う特別な舞台を演出した。
この舞台は、アカデミー賞が多様性を尊重し、変化を夢見るという意味が含まれていると評価された。この他にもさまざまな人種の俳優たちが授賞者や祝賀舞台を飾り、多様な文化を尊重しようとする授賞式の意志と努力をうかがわせた。
主演男優賞には『ジョーカー』のホアキン・フェニックス、主演女優賞には『ジュディ 虹の彼方に』のレネー・ゼルウィガーが輝いた。彼らは受賞コメントを通じて演技や映画への愛情だけでなく、環境や性別などさまざまな社会問題に言及して拍手を受けた。
世界的なスター俳優のブラッド・ピットは、俳優として初めてアカデミー賞のトロフィーを抱いた。『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』を通じて、助演男優賞を受賞したのだ。
ブラッド・ピットは製作者としてアカデミー賞を受賞したことはあるが、演技賞を受賞したのは今回が初めてだった。ブラッド・ピットは共演したレオナルド・ディカプリオに感謝し、子供たちに愛情を伝えた。
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