検察も拘束令状を再請求するよりは、不拘束起訴として裁判を続ける可能性が高い。ただ、世間からは、一般的な法鑑定を基にした期待とはかけ離れた司法部の判断に、不満の声を上がっている。
とある法曹界関係者は「追加で容疑を適用することで、7カ月も引きずったので、再び請求するとは思えない。検察の立場では補強捜査をして請求したものなので、棄却されれば不拘束起訴するという方針だったようだ」と話した。
「拘束=有罪」ではないように、「不拘束=無罪」を意味することではないため、検察による今後の起訴と法廷争いが重要だ。これからはV.Iの拘束可否よりも、裁判によって明かされる事実関係に集中すべきだ。V.Iに関する疑惑が空騒ぎに終わるか、それとも新たな局面を迎えるか、注目が集まる。
昨年、韓国中を騒がせた「バーニングサン事件」の中心人物として名前が挙がったV.Iは今後、裁判を行う見込みだ。
ここで忘れてはいけないのは、今回の事件の中核がV.Iの拘束可否ではないということだ。拘束令状が2度も棄却されたが、今も「バーニングサン」がらみの各事件は現在進行形だ。
クラブ職員による暴行事件から始まった「バーニングサン事件」は、麻薬の販売および使用、薬物を利用したレイプ、警察との癒着、性接待、横領疑惑などに拡散されたが、それを可能にした警察との癒着に関心が薄れたのも事実だ。一歩踏み外せば、V.Iなど一部芸能人の犯罪行為のみに集中され、「バーニングサン事件」の本質とも言える“権力型不正”を見逃す可能性がある。
現在、「バーニングサン事件」に対する世間の関心は明らかに薄らいでいる。
だからこそ、今回の拘束令状棄却をきっかけに権力癒着型犯罪の本質に向かっている「バーニングサン事件」が本末転倒にならないよう、注視していく必要がある。